「JAPAN MENSA(ジャパン・メンサ)」(以下JM)というIQ(知能指数)が高いとされる人たちの団体がある。ハイスペックな頭脳、回転の速い脳ミソを持つ人々の集まりだ。
日常生活でIQを意識することは少ないけれど、最近耳目を集めたニュースで言えば、昨年、台湾で新型コロナ感染対策を陣頭指揮し感染拡大を抑え込んで感染者ゼロを達成していたデジタル担当大臣のオードリー・タンだ。1981年に生まれ幼い頃から天才と称されたとか。IQは測定限界「180を超える」と言われ、その政策や指示は的確で、わかりやすい話術・話法や考え方、立ち居振る舞いに凡人でもすぐに脳力の違いを感じさせた。また人徳を窺い見ることができ、心の知能指数(EQ)も高いとされる。EQは、自分や他者の感情を理解し感情をコントロールする能力だ。
ただしIQが高ければEQも高いということにはならない。冒頭に記したJMの初代会長・新妻比佐志(61)が、女性に対する猥褻騒動を度々繰り返していたからである。その数は表面化しているだけで4件ある。泣き寝入りしている被害者はその数倍になるのではないか。騒動の真相を追った。
(中略)
おぞましい内容も聞いたが2件の概略のみ記す。
・09年頃、長野県にある新妻の事務所で後ろから羽交い絞めに抱きすくめられた(30代女性)。
・16年頃、銀座のホテルで酒に酔わされてホテルに連れ込まれた(20代女性)。
そして会員以外の女性も被害に遭っていた。19年9月中旬のことだ。
「仕事の関係者の飲み会に新妻が来ていた。私自身アルコールに強くて酔っぱらうことはまずありません。でも3軒目のバーで気分が悪くなりました。テキーラの『レポサド』をロックグラスで飲んでいたのですが、頼んでいないオレンジ色のカクテルが出されました。マンゴーのリキュールベースだったと思う。それを飲みきったら、足元からガクっと崩れるようになって、トイレでもどしました。酷い頭痛がして、銀座のホテルへ連れ込まれて身体を触られた。過去にこんな酔い方をしたことはありません。ふらつきながらどうにか拒絶して部屋を飛び出して交番に駆け込みました。後に強制猥褻事件として被害届を出し、受理されています」
利発そうな小顔女性の唇が怒りに硬く引き結ばれた。15年に起きたTBS元ワシントン支局長による性的暴行事件を彷彿とさせる。
(中略)
新妻比佐志とは一体何者なのだろうか。
2012年発行の著書『迷いが消える決断思考』(フォレスト出版)にはプロフィールが次のように記されていた。
《にいづまひさし 1960年生まれ。長野県立諏訪実業高校卒業。経営コンサルタント、ソヨルエルデム大学(モンゴル)名誉教授。国際青年会議所公認プログラム「ビジュアル・ヒューチャー」開発者、高IQ国際組織「MENSA」の日本支部会長など肩書は数えきれない。(中略)通称は「NINJIN」で本名で呼ばれることは滅多にない(中略)公認会計士事務所で10年間経営を学び1987年に㈱諏訪情報企画を設立(中略)30社以上の新規会社設立に携わるほか、いくつもの零細企業や赤字会社を成長、黒字転換させている……》
そこに掲載された写真には金属フレームの眼鏡をかけた面長でスーツ姿の中年男性が映っていた。
(後略)