記事(一部抜粋):2020年8月号掲載

経 済

予算をつけて使いきれ!コロナ放置の狙いは焼け太り

【証券マン「オフレコ」座談会】

B 東京都を中心に新型コロナウイルスの第2波がやってきた。コロナは熱さには弱いと言われていたから、第2波が来るとしても秋口だろうと思っていたら夏にかけてやってきた。
C コロナウイルスは冷凍にしても死なないらしいし、暑さにも強く、50〜60℃までは生存するというからやっかいだ。
A 7月16日に東京大学先端科学技術研究センターの児玉竜彦名誉教授が、野党の推薦で参考人として参院予算委員会に出席。「総力でコロナ対策を打たなければ、来週は大変になる。来月は目を覆うようなことになる」と言葉を震わせながら強い危機感をあらわしていたよね。
B でも、出席していた西村康稔新型コロナ担当大臣と尾身茂感染症専門家分科会会長は、その児玉教授の話に冷ややかな態度だったとか。
C 翌日の記者会見で児玉教授の切迫した提言について問われた西村は「様々な見方がある」と述べたうえで「極端な楽観論はないが、当然、誰にもわからない。神のみぞ知るという部分がある」と言って、とても児玉教授と危機感を共有しているとは思えない発言だった。
A 官僚を政治家にするこのはやめたほうがいいと思うんだけど、西村は自民党に多い経産官僚出身だ。官僚は確保した予算をどの業界に箇所付けして恩を売ろうかとしか考えない。そうやって予算を全部使い切る。戦後、山口組や某学長、それに田中清玄が「麻薬撲滅運動」のキャンペーンを全国的に始めた時に、「俺たちの食い扶持を減らすな!」と言ってクレームを付けたのが警察だった。また、オウム真理教事件の結果、予算が下りて古い法務省のビルが建て替えられたが、この事件の時も公安担当がオウム信者を徹底マークしていたにもかかわらず、大事件に発展するまで野放しにしていた。これを官僚得意の「焼け太り」という。英語では「ショック・ドクトリン」だ。
B すると、コロナも大問題になるまで放置すると?
C 放置しても児玉教授が言うように、東京都で蔓延しているのは「新宿型」で致死率は高くない。
B ただ、児玉教授は感染者が爆発的に増えていくと、致死率も必ず上昇すると言っていた。
A だから、放置するのは論外。PCR検査、もしくはもっと簡易な唾液検査を確立して重症化しそうな高齢者や病人と感染者を接触させないようにしないといけない。
B ところが、相変わらず日本のPCR検査数は世界各国と比較しても絶対量が圧倒的に少ない。
C それは特に経産省主導の「アベノマスク」や「持続化可能給付金」、それに国交省主導の「GoToキャンペーン」など、コロナにかこつけた「焼け太り」策があるからだろう。コロナが続く限り延々と焼け太りキャンペーンを続けることができる。
B どうして電通やパソナばかりが、その事業の中抜きに絡んでくるんだろう。
A 何といっても電通は東京2020の誘致に裏方で暗躍し、資金も結構使っただろうから、それが背景にあるんだろう。来年のオリンピックが開催されないと米メディアから放映権が入らなくなって電通は大変なことになる。
B でも、焼け太りを狙って放置ばかりしているのだから、開催は絶望じゃ?
C だから、今のうちからせっせと電通に中抜きさせているんじゃないの?
(後略)

 

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