記事(一部抜粋):2020年5月号掲載

経 済

コロナ禍で「令和恐慌」に 今こそ昭和恐慌に学ぶべき

【証券マン「オフレコ」座談会】

B コロナウイルス問題で日本経済が大混乱だけど、中国みたいに収束とはいかないんだろうか?
C それは無理。安倍首相は「わが国の支援は世界で最も手厚い」と言いながら「休業に対して補償をおこなっている国は世界に例がなく、休業補償はできません」と言い切った。強制だろうが要請だろうが、営業自粛させて損害を発生させた以上、補償をするというのが世界の常識だ。
A 経済は生き物だから一刻を争うのに、4月20日の段階で、使い物にならない「アベノマスク」さえ届いてない。これははっきり言って、政治や官僚機構がまったく機能していない証拠だ。
B 機能を果たしていないんじゃなくて、その気がないだけかも。中国は1月から4月までの4カ月間は法人税をゼロにして、従業員の給料を会社と国が折半することが決まった。ドイツは商売する日本人に対しても、休業補償を申請した3日後には60万円を振り込んだ。感染者数で世界トップを独走するアメリカでは、収束するまで毎月大人13万円、子供5万円を超える金額が振り込まれる。
C 安倍政権を支える公務員はさっさと公共施設を閉鎖して、そのうえで政治家は国民に営業自粛と密閉、密集、密接の「3密」を避けるよう要請すべきだ。公務員は給料が減るわけでもないし、政治家は国民が疲弊するなかボーナス300万円を受け取った。それにしてもこの状況、以前から何度も言ってきたけど「昭和恐慌」の時とそっくりだ。
A 世論もそうだけど医療の専門家会議や政治家が異常だと思うのは、以前ソフトバンクの孫正義会長がツイッターで、「新型コロナウイルスの感染を調べる簡易PCR検査キットを100万人に無償提供したい」と表明した時に、「医療崩壊を招く恐れがある」といって、皆がこぞって批判したこと。しかし、韓国ではドライブスルー方式でPCR検査を大量に実施したことで早期の収束につながった。孫会長の好意を受けて東京都の基幹病院でドライブスルー方式の広範な簡易検査をおこなっていれば、今のような大規模な院内感染も防げたはずだ。
B 孫さんのやることなすこと批判する勢力が多いからね。「アベ友」のアパホテルや、「アベノスポンサー」の日本財団の関連施設が、軽症者用の隔離施設に利用されることが明らかになったけど、広範にPCR検査を実施するほうが先だと思う。地域を代表する基幹病院はまず来院する患者すべてにPCR検査を実施して、重篤者は病院に入院させ、軽症者は閉鎖となった公共施設内に大型テントで隔離病棟をつくればいい。そのれでも不足するというなら、全国各地にある日本財団関連施設やアパホテルに声をかければいいだけの話。それを安倍首相が最初にアパホテルに頼み込むというのは筋違いだ。
(中略)
B ところで、日本の株価はこれからどうなるんだろう?
C やっぱり昭和初期に起こった「昭和恐慌」が参考になる。当時は「世界大恐慌」で、今と同じゼロ金利政策が取られていた。経済全体はデフレだけど金融緩和で資金をジャブジャブにしていたから、行き場を失ったマネーは当初、金相場と株式市場に流れた。現在、NY市場でコロナの影響が少ないハイテク株が買われているのと同じ。しかし、それも長くは続かず、NYダウは高値から3年後には90%の下落となった。
B たしか、その暴落のなかで大量の株式を買い占めたのがロックフェラーだったんじゃ?
C 暴落した株を二束三文で買い占めたことが、ロックフェラーが石油王から財閥になったキッカケになった。
B 日本は?
A 中小企業がバタバタと潰れるだけでなく、安田などの中小財閥さえも潰れた。
B そこで「血盟団事件」が起こったと?
C 当時は大不況で多くの国民が疲弊するなか、三井財閥の総帥だった団琢磨が、血盟団の団員の手によって三井本館の入り口で暗殺された。三井は金解禁やドルの買い占めによって莫大な利益を上げており、その利益で倒産もしくは倒産しそうな会社を札びらで頬を叩くように二束三文で買収しているとして、団は財閥に対する批判の矢面に立っていた。
A 実際のところはドルを買っていた三井銀行は大幅な欠損を計上しており、逆にドル売りで巨額の損失を出しているとされた横浜正金銀行(その後の東京銀行)は例年と同じような利益を上げていたから、噂というのはまったく当てにはならない。しかし、三井はこれがトラウマとなって、その後の企業買収に影響が出ることになった。
B 竹下登元首相は死ぬ間際まで側近に「昭和恐慌の勉強をするように」と話していたとされるけど、結局何を言いたかったのかな?
(後略)

 

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