記事(一部抜粋):2020年4月号掲載

政 治

安倍政権による国家の破壊

【コバセツの視点】小林節

 国家の存在理由・目的は何か? そんな当たり前な事を改めて考えてみたが、それは、主権者国民大衆を幸福にすること以外にない。
 人間が幸福を感じることができる条件は、自由と豊かさと平和である。だから、国家の仕事を司る政治が正しくその目的を果たせるように、歴史に学びながら政治制度は工夫されており、それが最高法憲法に明記され、さらに憲法に細かく書かれていない部分は、憲法の精神に適った法律、慣行等で埋められている。
 その概要は次のものである。
 まず、国の主・主権者は国民大衆であると明記されている(憲法前文1段、1条、15条)。そして、人権の至高性も明記されている(11条、13条、97条)。これにより、憲法の目的が主権者国民の幸福にあること(前文1段)が否定し難い程に明確になっている。
 至高な人権(各人の尊厳と人格的自律)が不可侵であるとしても、現実の国家共同生活においては、利害の調整は不可避である。なぜなら、人間は皆、本来的に不完全で、各人は無限の欲望を持っており、社会が人々に与え得る利益は有限で、かつ、社会を存続させるための共益的な負担(例えば税金)も分かち合わなければならないからである。
 そのために立法権がある。法律は、人権の持ち主である主権者国民自身の唯一の直接代表である国会が制定したものだから行政権力が人々の人権を制約する根拠になるのである。それが、国会が「国権の最高機関」と呼ばれる(41条)理由である。
 その国会が制定した「法律」を「内閣は誠実に執行」しなければならない(73条1号)。
 そして、司法府(裁判官)は「その良心に従い独立してその職務を行い、この憲法及び法律のみに拘束される」存在である(76条3項)。
 その上で、私たち国民には、皆、平和の内に生存する権利があり(前文2段)、法の下で平等に扱われる権利があり(14条)、表現の自由があり(21条)、生存権(つまり福祉を受給する権利)があり(25条)、教育を受ける権利がある(26条)。
 安倍政権は、現行の選挙制度と懐柔したメディアを利用して、まず、40%台の得票で国会の70%台の議席を占有した。その上で、まず、憲法9条で禁じられているとしてきた海外派兵を可能にする法律を強引に制定した。平和主義の蹂躙である。もはや新設が不要だとされていた獣医学部について、首相の親友が理事長を務める法人が明らかに条件を充足していないにもかかわらず強引に新設を認可した。選挙演説の場で首相に批判的な野次を飛ばした者が警官によって排除された。安倍政権の下で福祉の切り下げ政策が進行している。「自己責任」の名の下に、大学に進学した若者の多くがローン地獄に追い込まれている。
 これまで、小渕優子、甘利明、下村博文各代議士は明白な違法行為が発覚しながらも司直の手にかからなかった。今また、菅原一秀、河井克行各代議士と河井あんり議員の違法行為が公然と問われている。このような状況の中で、公訴権を独占する権力機関である検察の長に政権と親しいと言われる特定の人物を就けるために検察庁法(特別法)に国家公務員法(一般法)を優先するという暴挙を政権は強行した。
 このように、安倍政権は、既に、憲法も法律も無視して、日本国を破壊してしまった。

 

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