記事(一部抜粋):2017年10月号掲載

社会・文化

いまや生活難に喘ぐ暴力団

【情報源】

 わが国最大の指定暴力団6代目山口組の分裂騒動から2年が経過した。今年4月には6代目から離脱した神戸山口組から任侠団体山口組(8月に任侠山口組に改称)が分裂、3つの組織となった。警察庁が対立抗争状態と認定した2016年3月以降、山口組の抗争は19都道府県で49件発生、165人が摘発されている。
 ところが、神戸山口組による任侠山口組への襲撃事件があったものの、予想に反して本格的な全面抗争はいまだ鳴りを潜めている。これは、警察当局の集中的な取り締まりに加えて、「分裂によって最大組織の山口組も威光が色褪せ、深刻な資金難に陥っている」(警察関係者)からだという。構成員をみると昨年末時点で6代目山口組が約800人、神戸山口組も約200人それぞれ減少、離脱の動きに歯止めがかからない。いまや資金難どころか生活難に喘ぐ始末で、ひったくりの横行はもちろん、組長が上部組織への上納金の工面に窮して失踪したり、神戸山口組では傘下の組長が借金苦で自殺、別の傘下の組長など3人はなんと万引きで逮捕されている。ある組長は組員に「生業を持て」と本気で檄を飛ばしているという。
 組織の高齢化も見逃せない。一般市民同様、この業界にも少子高齢化の波が押し寄せ、構成員の減少とともに高齢化が対立抗争を抑制させているという。組員が抗争で摘発されると連動して幹部も逮捕されることから、高齢化した幹部クラスは長期の服役は御免だとして抗争を抑え込んでいるわけだ。「これでは山口組は三つ巴の抗争どころか、ゆくゆくは統合を強いられるのでは」(事情通)との見方も信憑性を帯びてくる。
 もちろん山口組に限らず、全国の暴力団が窮地に追い込まれている。暴力団対策法や暴力団排除条例によってシノギが激減、離脱者も相次いでいる。警察庁によると18年末の構成員は前年から2000人減の1万8100人と初めて2万人を割り込み、準構成員は2万900人、5900人も減っている。シノギも暴力団の威力を駆使した恐喝や脅迫は影を潜め、代わって窃盗やニセ電話詐欺、かつてはタブーだった薬物売買などが目立つ。もはや典型的な斜陽業界であり、凋落を止めるすべは見当たらない。
(後略)

 

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