記事(一部抜粋):2017年7月号掲載

経 済

米ハイテク株にも急落の兆し 現実味帯びる最悪のクラッシュ

【証券マン「オフレコ」座談会】

B 連邦準備制度理事会(FRB)が今年2回目の利上げを決定した。この利上げ、株式市場に悪い影響を与えないかな?
C 著名投資家のジム・ロジャーズが、「今年の後半か来年には生涯で最悪となるクラッシュが起きる」と言っているだけに、ここでの利上げはやはり悪影響だと思う。
B ジム・ロジャーズのいう「最悪のクラッシュ」が起きる理由は何なの?
C 「トランプ政権では政府は機能せず、政党は消失。国家は破綻する」と言っている。「だから私はアジアに引っ越した」と。
A このFRBの利上げと連動しているんだろうけど、年間所得が5000万円以上で、1億円以上の投資資産がある投資家を対象に調査した「富裕層投資家信頼指数」が5月、2013年12月以来最大の下げ幅になったらしい。
B その指数って、富裕層の「売るか買うか」という投資マインドを数値化したものだよね。売りたい人が急激に増えたということだけど、やはり政治的要因?
A そう。トランプ政権が磐石でないことと、税制改正に対する疑念が背景にあって、売りたい衝動にかられているみたい。
C FRBは年内にもう一回利上げをすると言っているからやっかいだね。「第二のサブプライム」と言われている自動車ローンの延滞率が過去7年で最高水準、貸倒率もリーマン・ショック以降最悪になってきたこの時期に、金利を立て続けに上げればどうなるかは自明なのに……。
B 今回は利上げだけでなく、並行してFRBが保有する資産を年間で6000億ドル圧縮する「バランスシートの圧縮プラン」も公表している。ジム・ロジャーズなどの投資家や富裕層がアメリカ離れを起こすなかで、米政府はどうやって財政資金をファイナンスするつもりなのかな?
A トランプは当選前から、「借金がすべての国民の資産の合計より多いのだから、米政府が借金を返済するのはもう不可能」と言っていた。だから、突出している軍需費を減少させるなどの「財政均衡化」と、タックスヘイブンなど海外に逃避した資金を国内に回帰させるための税制優遇策、さらには中国などの対米貿易黒字国に何らかのメスを入れることが必要になってくる。しかし、それは至難のわざだ。
B 野党やメディアがトランプ政権の足を引っ張っている場合じゃないってことだね。
C 米政府というよりFRBのイエレンは、金利を高くさえすれば米国債を買ってくれるところがあるとでも思っているんじゃないの?
A 1973年に「ウォーターゲート事件」が表面化した際、「買える銘柄が少ない」として「ニフティ・フィフティ」と呼ばれる一握りの成長株が独歩高した後、急落したことがある。最近のマーケットの動きが当時の状況によく似ているとの指摘があるね。
B たしかに今年の米国株の上昇の48%はハイテク株の上昇によるものだけど、最近はそのハイテク株に急落するものが増えてきた。ますます、トランプ政権の足を引っ張ってる場合じゃない。
(後略)

 

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