記事(一部抜粋):2017年5月号掲載

社会・文化

朝日新聞の詐欺的国有地取得

交換用地の瑕疵を隠蔽、築地本社の最新時価は420億円

 国公有地の払い下げは「競争入札」が原則だ。しかし、巧みに「随意契約」へ持ち込むケースが大手新聞社、朝鮮学校などへの払い下げではよく見受けられる。
 とくに大手新聞社は、「我々は公共報道機関である」という「特権意識」をかざして随契へ持ち込む特異な存在だ。
 読売新聞本社用地の大手町6196㎡、毎日新聞本社用地の神田一ツ橋2931㎡、産経新聞本社用地の大手町4786㎡、日経新聞本社用地の大手町1416㎡、朝日新聞本社用地の築地1万4680㎡などは軒並み元国有地だ。
 なかでも朝日への払い下げは「異様」で、新聞社としては大き過ぎる面積だ。同業4社(平均)の4倍の広大な面積を取得するための工夫なのか、複雑な「土地交換」を絡ませた取引がおこなわれた。
 朝日の築地本社の敷地は1973年、当時の大蔵省(現財務省)との交換取引で払い下げられたものだ。その交換取引で朝日が差し出したのは、朝日所有の杉並区所在「浜田山グラウンド」。地元の人たちからは通称「朝日農園」と呼ばれ、林の中にグラウンドがあるだけの土地だった。一方、築地の元国有地は海上保安庁水路部の跡地。銀座に隣接する広大な都心有数の一等地だ。
 日本国勢調査会の調べによると、朝日と大蔵省の取引は、2本の契約によりおこなわれた。一つは、①中央区築地5丁目2番1号、面積1万35㎡で、金銭による購入。もう一つは、②築地5丁目2番25号、面積4645㎡の「土地交換取引」だ。朝日はこの二つの取引で合計1万4680㎡(4448.4坪)の土地を取得した。
 ①は、73年2月12日付の売却で朝日へ所有権が移転。所有権移転日から10年の期間「買い戻し特約」が設定登記されていた。買い戻し権者は大蔵省。売買代金は17億271万円(坪あたり56万円)だ。当時でも坪200万円を超えると言われていた都心一等地が坪56万円である。朝日は購入代金を「延納」したため、大蔵省の抵当権も設定されている。
 ②は、同年1月23日、朝日所有の「朝日農園」との交換によって朝日に所有権が移転された。「等価交換」と推定され、購入単価を坪当たり56万円とすると、「朝日農園」の評価額は7億8800万円ということになる。
(前略)
 今年3月に発表された築地の当該土地の地価公示価格は、坪当たり611万6000円。公示価格を基に略式鑑定評価すると、現在の時価は坪当たり944万円。築地本社底地の時価総額は420億円となる。「朝日農園」の土地が交換を含む取引で大化けした。
 この払い下げは、日中国交正常化を推進していた朝日・広岡知男社長が田中角栄総理に依頼し、田中総理から指示を受けた大蔵省が「交換取引」に応じたものと推測されている。
 田中氏と広岡氏の共通点は「対中国関係最優先」の姿勢。田中氏は米国の理解を得ないまま「日中国交正常化」に踏み切り、後の「ロッキード事件」の端緒を招いた。広岡氏も、北京駐在の日本の大手メディア8社が国外追放となるなか、「中国に都合の悪いことは書くな」を社是にかかげ、朝日1社だけが中国にとどまった。ただ、それによって「偏向新聞」という評価が定着した。
 大蔵省は「朝日農園」に「公務員住宅」を建てる計画で交換取引に応じたが、交換後に重大な「瑕疵」が判明する。「朝日農園」は、昭和7年から昭和13年にかけて発掘調査がおこなわれ、縄文時代中期の古跡「塚山遺跡」(竪穴式住居跡など)が発見された土地だったのだ。文化財として保護する義務があり、官舎用地としての開発は不可能な物件だった。
 奇々怪々なのは、その土地を朝日が交換取引に持ち出したことだ。遺跡としての価値は高いが、流通性はない物件で、グラウンド程度の利用価値しかない。遺跡が存在することは戦前から関係者には周知の事実で、当然、朝日経営陣も熟知していたはずだ。
 大蔵省は「交換目的」を成就できなかったが、なぜか「泣き寝入り」した。
 大蔵省は、公務員住宅建設の目的を担保するために、10年の「買い戻し特約」を設定登記していたのだから、「瑕疵」が判明した時点で買い戻すべきだった。
 ここで「森友」と「朝日」の類似点を整理しておこう(資料①)。
 朝日との取引で「忖度」が働いたと推測されるのは、大蔵省が買い戻しの権利を10年間行使しないまま官舎の建設を断念した事実からだ。対価である7億8800万円分は、実質的に朝日の「ただ取り」となり、大蔵省と田中角栄総理が騙された格好だ。「瑕疵担保責任」(遺跡保存義務)を隠蔽し続けた朝日は国に巨額の損害を与えたことになるが、野党は問題ともせず、議論の対象にもしなかった。
 ところで、その後の「朝日農園」だが、1988年、大蔵省は「朝日農園」を杉並区に無償で貸し付け、実質的に区に無償譲渡した。杉並区は「区立塚山公園」(2万8700㎡)を開園し、区が税金によって遺跡保存義務を果たすことになった。
 朝日が不当利得を享受するという「事件」で終わった国有地売却。築地本社底値の最新評価額420億円のうち、「朝日農園」見合い分は132億円と巨額だ。
 朝日は取得した築地の土地に1980年、東京本社を建設し、有楽町から築地に移転した。新本社には、朝日が好むインターナショナルな報道機関、米ニューヨーク・タイムズや、韓国の東亜日報、中国の新華社などの支局が入居し、ている。また人民日報とは業務提携契約を結んだ。
 80~90年代、新本社を舞台に朝日は全盛期を誇ったが、それは「慰安婦」「南京」などの捏造活動の最盛期でもあった。
(後略)

 

※バックナンバーは1冊1,100円(税別)にてご注文承ります。 本サイトの他、オンライン書店Fujisan.co.jpからもご注文いただけます。
記事検索

【記事一覧へ】