記事(一部抜粋):2017年1月号掲載

社会・文化

病院乗っ取りの生田グループ 狡猾な手口と幅広い人脈

【狙われるシルバー世代】

(前略)
 今回、筆者の取材で病院乗っ取りの事実が判明したのは福岡県福岡市の医療法人社団「浩然会」。
 浩然会は「NTクリニック福岡」という美容整形外科と、「次郎丸医院」という内科・循環器科の2つの病院を経営していた(次郎丸医院は現在は運営されていない)。
 浩然会の経営が傾いていることは、次郎丸病院が閉鎖されたことに加え、同医療法人社団の法人謄本を上げると、資産の額が0円で、124万496円の債務超過になっている(2011年末)ことでも明らかだろう。
 浩然会に資金を融通するとして経営に関与し、ほどなく乗っ取ったと見られるのが、生田澄子(65)なる女史をトップとする「生田グループ」と呼ばれる集団。そもそもは街金屋で、かつては資金繰りの厳しい上場企業に融資しするなどして兜町界隈ではかなり有名な存在だった。
 当時、狙われた上場企業としては「メディア・リンクス」や「モック」などがあげられるが、どちらも、生田グループが介入してからほどなくして上場廃止になっている。
 なお、メディア・リンクスの上場廃止の無効確認を求める仮処分申立事件(04年4月。認められず)における、メディア社創業者にして代表者だった新堂吉彦氏の陳述書にはこんな記載がある。
《(03年)12月6日は生田の誕生日ということで船上パーティーに招かれたのですが、出席者は明らかにやくざや金融ブローカーと思しき人間ばかりであり、生田が暴力団関係者であることを確信するに至りました》
 また、モックがまだ上場していた08年3月には、韓国のソウルで地元投資家に「モック株を高騰させる」と持ちかけ、約10億円ともいわれる資金を詐取したとして、生田氏らの顔写真を載せた私的「指名手配書」(賞金付き)が出てもいる。
(中略)
 15年8月、『週刊文春』が武藤貴也衆議院議員(滋賀4区。当選2回)の金銭キャンダルを報じたのをご記憶だろうか。
「値上がり確実な未公開株がある」といって知人らに計4100万円を公設秘書の口座に振り込ませ、結局、未公開株を買い付けず一部返済もしなかったという一件だ。当時は自民党麻生派に所属していたが、報道後、自民党を離党している。
 実は、この武藤代議士の背後で暗躍していたのが生田グループだったようなのだ。さる事情通が言う。
「生田の側近中の側近、否、パートナーといってもいい加福秀敏(63)という男がいます。この加福と、武藤の政策秘書(騒動後に辞任)で、その前に久間章生元防衛大臣の秘書をしていた宮崎資紹が以前からの知り合いで、その宮崎を通じて武藤を引き入れたのです」
 その傍証として、筆者は加福氏が社長を務める「丸全産業」(東京都港区)という会社の名義になっている銀行通帳のコピーを入手。同社が宮崎氏、武藤氏と資金のやりとりをしていたことを確認している。
「武藤がカネを返せなくなったのは、加福が宮崎経由で得た資金をFXにつぎ込み大負けしたからだと聞いています。他人のカネでバクチをやり、一瞬に数千万円を溶かしても平然としている。普通の神経ではありません。加福は以前、パチンコの裏ロム屋(機械を仕掛けて不法に当たりを多くする)をしていたそうです。一方の生田は九州の暴力団組員との結婚歴があり、デパートで一度に数千万円単位で買い込むほどのブランド好きです」(同)
 生田氏らは武藤代議士の親分だった麻生太郎副総理のパーティー券を500万円購入。銀座で接待もしており、そうした場に投資家を同席させ、信用付けに利用していたようだ。
 一方、16年1月、指定暴力団「合田一家」(山口県下関市)の末広誠総長らが競売妨害容疑などで逮捕される事件があった。
 下関市に本社を置く「佐藤建設」が実質破綻し、市内に所有する土地が競売になることを阻止するため、総長個人を債権者にした虚偽の抵当権を設定するなどしたために立件されたものだが、生田グループはこの件にも深く関係していた。
(後略)

 

※バックナンバーは1冊1,100円(税別)にてご注文承ります。 本サイトの他、オンライン書店Fujisan.co.jpからもご注文いただけます。
記事検索

【記事一覧へ】