記事(一部抜粋):2013年5月号掲載

社会・文化

FX投資の失敗で関東連合「暴発」の懸念

【ズームイン】

 4月12日、東京・虎ノ門にある「ストラマークス」というFX投資を主に手がけている会社のオフィスに何者かが忍び込み、同社代表・金磯正博氏のパソコンを盗み出す、という事件が発生した。
 もっとも、その数時間後に犯人が警視庁愛宕警察署に自首したため、事件はあっさり解決。結局、当事者同士で示談になったのか、犯人は送検されずに終わった。しかし、事件化しなかったこの「出来事」に、警視庁はいまも大いに関心を寄せている。というのも、盗難の背景に、半グレ集団「関東連合」の存在が見え隠れするからだ。
【関連する動き1】
 東京・神田にある「インフォメーションストリーム」という会社が1昨年より展開しているASP事業(ネットを使った課金、徴収事業)が暗礁に乗り上げ、昨年10月以降、同社に資金を投入していた投資家に対する配当の未払いが発生している(本誌1月号「警視庁が内偵するアダルト課金システム」参照)。同社はASP事業の営業(投資資金の勧誘)を東京・小金井市にあるT社の代表、T氏に全面的に任せており、T氏を通じ約20億円の資金が集まったというが、一方で投資家に対する配当の未払金は5億円を超えている。
【関連する動き2】
 コンピュータソフト開発会社プライムシステム(6年前に上場廃止)の創業者で、10年ほど前に証券市場を騒がせた永田仁氏は現在、前出ストラマークスの金磯代表とともに、FX投資事業をおこなっている。ちなみに永田氏が市場を騒がせた件とは、プライムシステムが、東京証券取引所の電算システムを一手に担うTCS(東証コンピュータシステム)の筆頭株主に躍り出た際、永田氏の背後によからぬ勢力の影がみえるという風評がたったことを指す。
 その永田氏が目下注力しているFX事業は、ノモスコーポレーションなる会社のオーナー、佐藤新一氏がバックアップしているといわれている。2人は、ニュー軽米カントリークラブ(岩手県)を共に経営するなど、事業パートナーとして親密な関係にある。しかし、永田氏が金磯氏と組んだFX事業は、今年に入って運用が立ちいかなくなり、インフォメーションストリーム同様、破綻の危機に直面している。
【パソコンを盗んだ動機】
 実は、金磯氏のパソコンを盗んだ犯人(安田財閥の安田善次郎翁の末裔の1人)も、金磯氏のFX事業に資金を委ねた1人だったという。資金回収を図る目的でパソコンを盗み出したらしいが、それによって分かったのが、T氏が集めた資金が、イ社のAPS事業には回されず、金磯、永田氏らのFX事業に注ぎ込まれていたことだ。
(後略)

 

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