記事(一部抜粋):2012年6月掲載

社会・文化

上場企業と弘道会の関係に警察当局が重大関心

【ズームイン】

 指定暴力団・山口組組長の出身母体で同組最大の勢力を誇る「弘道会」に対する警察当局の攻勢が強まっている。最近も5月8日、愛知県警が電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、名古屋市内にある弘道会本部を40人の捜査員を動員して家宅捜索したばかり。どんな微罪であってもしょっ引けとばかりに、全国規模で執拗な捜査を続けている。
 そんななか、愛知県に本社を置く東証1部上場企業X社と弘道会の関係に、警察庁が重大な関心を示しているとの情報が浮上している。
 「X社は、そもそも警察とは良好な関係にあるといわれてきました。愛知県警の特定の幹部との蜜月も噂され、警察に顔が利く企業というのがもっぱらでした。X社は最近、ある不祥事を起こして書類送検されたのですが、同じ不祥事を起こした同業のライバル会社が厳しい処分を受けたのに比べると明らかに軽い処分で、さすがはX社だと語り草になったほどです」(業界関係者)
 当のX社関係者もこう語る。
 「X社の創業者一族が、警察の上層部と親密な関係にあるという話は、社内でも有名です。もともと地元愛知県警との連携が強くあり、警視庁、さらには警察庁の幹部との繋がりも、具体的な人名とともに語られていましたから」
 しかし現在、警察に強いはずのX社と弘道会との関係に、当局が目をつけているというのだから、穏やかではない。
 X社と弘道会の関係をひもとくうえで鍵となるのが、X社が7年前に設立した保険代理店Y社だという。Y社の代表はX社の元社員が務めている。
 「Y社にはX社からさまざまな名目でカネが支払われています。もちろん、グループ会社の保険を一括して扱っているので、その対価が払われるのは当然のことなのですが。実はY社は、ある特定の人物のために設立されたのです。特定の人物といっても、それはY社の社長のことではありません。1人の社員と1人の顧問のことで、2人にはそれぞれ給料と顧問料がY社から支払われています」(前出・X社関係者)
 つまり、「特定の人物」を便宜上Y社の社員、顧問に採用して、給料や顧問料を支払っているというのだ。(後略)

 

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