東北復興を名目にさまざまな「支援団体」が設立されているが、その一つに「東北農業支援ネットワーク」という一般財団法人がある。昨年10月に設立され、福島県郡山市に本部を置く。設立主旨は「福島におけるエネルギー農業の展開と植物による放射性セシウムの効率的除去」。放射能に汚染された農地の復興を目指す公益法人である。
汚染された農地をどうやって復興するかというと、「ソルガム」というイネ科の一年草を、汚染された農地に植えるのだという。
(中略)
実際、マスコミからも注目され、『日本農業新聞』『福島民報』『毎日新聞』などに取り上げられている。ソルガムが実際にどのくらい除染効果を発揮するのかはっきりしない面はあるものの、産学合同で除染の実証試験をおこなう動きもあり、福島の農業関係者にとって「一縷の望み」になっているのは間違いない。
復興に力を注ぐこの財団、まさに公益法人の鑑といっていいのだが、一方で「実は私益しか考えない人が仕掛け人」(財団設立の経緯を知る関係者)という看過できない声が聞こえてきた。
「仕掛け人の名は大場武生。彼はソルガムの存在を知ってから、わずか2カ月で財団を立ち上げた。あまりの早業にビックリしました」
大場武生氏。証券や金融、アンダーグラウンドの世界では超がつくほどの有名人である。古くは三和銀行雪が谷支店不正融資事件から、仙台の老舗旅館「ホテル瑞鳳」買収にからむ事件、果ては東証2部上場大盛工業の株価操作に伴う証取法違反事件と、数々の経済事件でその名を轟かせてきた。大盛工業事件では指名手配後、2年にわたって逃亡(結局逮捕)、世間を騒がせたのは記憶に新しい。(後略)