10月中旬、とある千代田区議のもとを、警視庁捜査2課の刑事2人が訪れた。関係者の話を総合すると、刑事たちはその区議に、千代田区がこれまでにおこなってきた施策や条例の詳細を聞いたという。
「そしてもう一つ、区長を含む区の中枢幹部の人脈です。特定の人物、Y氏、K氏といった名前をあげて、それらの人物と区上層部がどのような関係にあるのか、詳しく尋ねています」(区議会関係者)
ちなみに現在の千代田区長は、石川雅己氏。もとは東京都の職員で、いくつかの局長を歴任したあと1999年に退職、2001年に千代田区長に立候補して初当選、現在3期目を務めている。
(中略)
ところで、その2課の刑事が名前を出したY、Kとはいかなる人物か。
まずはY氏。一般には馴染みはないが、西東京開発、汐留操車場跡地の再開発、圏央道インターチェンジ誘致、談合告発騒動、パシフィックコンサルタンツ事件、日本道路公団疑惑……、これら各事案でフィクサー的な役割を果たし、ゼネコンやマスコミ関係者のあいだではそこそこ知られる人物だ。
たとえば97年の談合告発騒動。関西談合のまとめ役だった平島栄・西松建設相談役(当時)が、「すべてを明るみに出す」として、談合資料を公正取引委員会に持ち込み、ゼネコン業界と政界を震撼させたこの騒動で、平島氏のバックにいたのがY氏だった。
03年の日本道路公団疑惑では、石原伸晃・国土交通相(当時)に首を切られた藤井治芳・日本道路公団前総裁の援護に回り、「藤井資料」を警察・検察に持ち込んで、石原氏の背後にいた青木幹雄・自民党参院幹事長らをタジタジにさせている。
「政界・官界からゼネコン・不動産業界まで広く太い人脈を持っている。いま最も脂が乗っているフィクサーの一人といえます」(社会部記者)
もう一人のK氏は、元自民党代議士。準大手ゼネコンの出身で、05年の衆院選で初当選した、いわゆる小泉チルドレンの一人。(後略)