記事(一部抜粋):2011年8月掲載

社会・文化

1000万ドル稼いだ?凄腕大学生ディーラー

【ズームイン】

「兜町に、若いが凄腕の投資家がいて、秘密の投資クラブを運営している」。そんな噂が証券界の一部に流れている。「何千万円ものカネを預けたら、その何倍にもなって返ってきた」「連戦連勝」……。
 兜町でこの手の噂が流れることは決して珍しいことではない。たまたま大儲けした個人投資家が、自慢話を周囲に吹聴、それに尾ひれがついて話が大袈裟に伝わるのはよくあること。しかし、いま話題の「若い投資家」は、実際に他人のカネを預かって、とんでもない好成績をあげているという。しかも、若干21歳の男子大学生というから驚きだ。
 その青年A君は私学の名門・K大学に通う現役の三年生。実際に資金を預けているという東京・銀座の飲食店関係者がこう証言する。
 「凄腕の投資家がいるという噂を最初に聞いたのは、今年に入ってすぐの頃でした。もちろん最初は信じられませんでした。しかし震災後も噂は消えず、それどころか誰それがいくら儲かったと、具体的な話が入ってくる。それで5月の連休前に、伝手を辿って本人に会いました。話をして、実績表をみせてもらって、噂どおりの凄腕だと確信した。それで思い切ってウン千万円投資しました」
 A君は現在、L社という合資会社の代表を務めている。会社の所在地は、東京証券取引所にほど近いビル(元山一証券兜町支店)。フロアの一部がバーチャルオフィスになっており、そこにL社はあるという(表札は出ていない)。
 本誌はA君に話を聞こうとアプローチしたが、結局、稿了日までの面談は叶わなかった。代わりに、最近A君と会ったというマスコミ関係者に話を聞いた。
 「A君が株式投資を始めたのは高校生の頃。K大学の系列高校が米ニューヨークにあり、そこで、ある人物からノウハウをみっちり仕込まれたそうです。投資するのは東証一部銘柄で、値動きの軽い中小型株に限定。また、顧客との契約は金銭消費貸借。つまりA君が資金を借りて、勝手に運用、儲けた分を利息として顧客に払うというスタイルです。この方法で、出資法や投資顧問業法に引っ掛からないようにしているのだとか。ちなみに儲けは顧客と折半。L社は設立3年目ですが、A君はこの間に1000万ドル(約8億円)の利益を得たそうです。つまり顧客も同額の利益を得たということになる」
(後略)

 

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