記事(一部抜粋):2010年1月掲載

社会・文化

小沢が狙う「北朝鮮利権」

大訪中団で権勢を誇示

(前略)だが何といっても先行しているのは中国。早くから中国は北朝鮮のレアメタルに目をつけ、タングステン、マグネサイト、モリブデンなどの開発・販売権を確保したほか、北東アジア最大の鉄鉱石埋蔵量を誇る咸鏡北道茂山郡の「茂山鉱山」(推定埋蔵量30億トン)の50年間の採掘権を70億元(約1020億円)で獲得。さらに北朝鮮最大の無煙炭鉱山である竜登炭鉱(平安北道)における50年間の採掘権も獲得し、すでに開発に着手している。
 日本のゼネコンにとっても、北朝鮮の資源、復興に必要となるインフラ工事は垂涎の的。しかし、日本は「拉致問題」が足枷になって、北朝鮮への進出に出遅れているのが現状だ。
「それでも04年には、5兆円ともいわれる北朝鮮の道路や鉄道、電気、ガス、水道といったインフラ整備事業に食い込もうと、ゼネコン10社が中国経由での極秘訪朝を企てた。これがバレて世間から大バッシングを浴びたが、西松建設を含む三社がそれでも訪朝を強行したほどです」(経済記者)
 また、小沢に近いとされる水谷建設は、北朝鮮の砂利利権に食い込んでいるといわれている。しかし、まごまごしていると、北朝鮮の利権は米中に全部持っていかれてしまう。そこで小沢氏が狙っているのが「電撃訪朝」だという。
「以前の金丸訪朝、小泉訪朝では結局、日朝国交回復には至っておらず、それを成し遂げ歴史に名を刻み、あわせて利権を確保しようという腹づもり。お抱えゼネコンに工事の口利きができれば、半永久的な『打ち出の小槌』が手に入る。今回の訪韓でも、訪朝の可能性が探られたと聞いている」(前出・事情通)
 小沢が帰国した12月14日に合わせるように、ポスト胡錦涛の有力候補である国家副主席の習近平が訪日した。ここでも北朝鮮利権に関する意見交換がなされたとみられている。
 北朝鮮にはインフラ事業、鉱物・レアメタル資源と並んでもう一つ大きな利権が存在する。それは「産廃」で、実は産廃利権に水谷建設はすでに手を打っている。(後略)

 

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