記事(一部抜粋):2009年2月掲載

経 済

【企業研究】野村ホールディングス

すかいらーく支援でさらに泥沼

(前略)まさに泣きっ面にハチといったところだが、もうひとつ、証券界が注目しているのが、野村HDの100%子会社、野村プリンシパル・ファイナンス(野村PF)が中心になって再建に努めている大手外食「すかいらーく」の動向だ。
 すかいらーくは日本のファミリーレストランのパイオニアにして最大手。だが2000年ころから経営不振に陥り、06年、「抜本的な業務改革を行う」との理由でMBO(経営陣によるM&A)を実施、上場廃止となった。
 MBOといっても同社の場合、M&Aを実施したSPC(特別目的会社)の主体は野村PFと英国系の「CVCキャピタルファンド」で、厳密な意味での経営陣による買収ではない。創業一族で経営権を握っていた横川一族はこのとき、逆に大半の株式をファンド側に売却している。その結果、すかいらーくの現在の持ち株比率は野村PFが61.59%、CVCキャピタルが35.66%となっている。 
 野村PFとCVCは再建にあたって、創業家の三男、横川竟社長に続投を要請した。だが昨年8月、ファンド側は、業績悪化に一向に歯止めがかからないのに業を煮やして横川氏を解任。そのため、すかいらーくは現在、野村PFの主導で再建中というわけだが、関係者の多くは「お飾りの社長と、外食の素人の証券マンに再建などできるのか」(外食企業幹部)と懐疑的だ。
 野村PFは00年7月に設立された。その事業方針は「積極的なリスクキャピタルの提供はもとより、バランスシートの改善機能、経営リスク・マネジメント機能、経営コンサルティング機能、業務提携のアレンジメント機能など野村グループが持つさまざまな専門機能を駆使しながら、投資先企業の再生や活性化に注力」(同社HPから)するというものである。経済環境は悪化するばかりで、業界再編や黒字倒産のさらなる増加が懸念されているが、それは事業再生ビジネス関連にとって好機でもある。野村グループの新たな収益源と期待されているのだ。
 しかし野村PFは、長崎県の「ハウステンボス」の再建も手がけているが苦戦中。すかいらーくでも躓けば、同社の信用はガタ落ちとなるだろう。 
 そのすかいらーくは昨年12月25日、野村PFを引き受け先として500億円の第三者割当増資を実施するとともにに、3年後の11年度を最終年度とする「中期計画」を発表した。その骨子は、09年中に204店舗を閉鎖し、あわせて不振の「バーミヤン」などの294店舗を低価格業態の「ガスト」に転換するというものだ。社名にもなっている「すかいらーく」名の店舗は消えてなくなるということだ。
 もちろん、人件費を含めた経費削減、食材調達の共通化、メニューの絞り込みなどあらゆるコスト削減策も実施する。
 外食企業幹部の間で話題を呼んだのが、同社が11月に発表した「インストアメディア事業」だ。店舗内のテーブルや入り口にステッカーやポスターを貼り付け、あるいはチラシをレジに置き、広告収入を得ようというのだ。初年度の売り上げは3億5000万円を見込んでいるという。
 昨年11月から各店舗ではホンダの新型軽自動車「ライフ」のテーブルステッカーやポスターを貼っている。郊外店では駐車場にはライフを展示したところもある。たとえ1円でも収入になるのなら何でもやろうという姿勢だ。
 この新事業の責任者であるインストアメディア室長は、野村PF出身の三神行夫副社長。ちなみに、すかいらーくの役員陣は、社外取締役を除けばわずか5人。横川前社長の解任後、常務から昇格した谷真社長、野村出身の三神副社長、やはり野村出身の金谷実専務のほかに、2人の平取締役がいる。
 さて、なんとも涙ぐましい努力をしているように見えるすかいらーくだが、業界内での同社の評判は決して芳しいものではない。ある外食企業幹部はこう語る。(後略)

 

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