記事(一部抜粋):2008年11月掲載

政 治

衆院選後の政局は「何でもあり」

亀井と園田、二人の策士に要注意【永田町25時】

 11月からの数カ月間は、政治家の政局についての才能が試される期間となる。
(中略)
 新党の旗揚げに踏み切れなかった平沼赳夫や、自民党総裁選で小池百合子を担いで負け組になった中川秀直におそらく出番はない。中心は、自民党では麻生と菅、最大派閥を率いる森喜朗と安倍晋三、それに前号の本欄で報じたように、読売新聞会長の渡邊恒雄と組んで大連立を策す経済財政担当相の与謝野馨ら。これに民主党代表の小沢一郎と公明党が絡む。
 キーワードは「分裂」と「連立」。裏で暗躍するに違いない人物として、ここでは国民新党代表代行の亀井静香と自民党政調会長代理の園田博之の2人を挙げておく。
 亀井は選挙前の民主党との合流には失敗した。だが、選挙後に国民新党が現有四議席を確保していれば、代表の綿貫民輔を説得して縦横に動き、キャスティングボートを握る可能性がある。国民新党が民主党と連立すれば過半数に達するケースでは、自民党内や無所属からついてくる議員が出る。平沼も亀井に懇願されれば過去の恩義から断りきれない。小沢は亀井に頭を下げざるを得ない。
 園田はかつて「新党さきがけ」の代表幹事。民主党内の反小沢勢力である前原誠司、枝野幸男、古川元久、玄葉光一郎らは、さきがけの仲間だ。園田はこれまで目立たぬように、そうした民主党内の人脈を維持するための接触を重ねてきた。加藤紘一が自民党を脱党して新党を結成し民主党と連立すると一時、噂されたのは、園田の民主党人脈が根拠だった。
 園田が先の総裁選で担いだのは与謝野。自公の与党が過半数にわずかに届かなかった場合、麻生の退陣を条件に、園田が民主党から一定の人数を引き出す手引きをし、与謝野を首相に担ぎあげる驚きの展開もあるかもしれない。
 その園田は過去に、亀井の弟分のような時代があった。現在は疎遠だが、なんでもありの政局では、園田と亀井、政局に独特の勘のある2人の連携さえなしとしない。(後略)

 

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