記事(一部抜粋):2008年6月掲載

経 済

村上ファンド残党とABCマート

【情報源】

(前略)村上ファンドの残党の動きからも目が離せない。ファンドマネジャーだった高坂卓志氏が運営するエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが、大和紡績の子会社ダイワボウ情報システムの筆頭株主に登場し、大和紡グループは戦々恐々。同じく筆頭株主となった学習研究社に対しては、六月の株主総会で業績不振を理由に遠藤洋一郎社長の解任提案に踏み切るという。エフィッシモ社はほかにも三井金属エンジニアリング、立飛企業、新立川航空機などを買い集めている。
 婦人靴の老舗トークツ・グループが突然、4月18日に民事再生法を申請(その後、破産に移行)。企業再生コンサルのリヴァンプとゴールドマン・サックスグループが再建に乗り出していた矢先のことで、業界関係者を驚かせた。リヴァンプといえば、伊藤忠商事から「ユニクロ」のファーストリテーリングに転じて副社長を務めていた澤田貴司氏が立ち上げ、クレアスライフ(旧菱和ライフクリエイト)、アパレルのアルプス・カワムラなどの再生を手がけている。今回のトークツの法的整理でその再生手腕に「疑問符がついた」(大手投資ファンド)格好だ。
 さらに注目を集めているのが、トークツの民事再生法申請と同時に、靴小売大手のABCマートが買収を発表したことだ(その後、取引先の合意が得られず買収を断念)。ABCマートは拡大路線で業界を席巻する新興勢力。トークツに続いて「民事再生法申請後にファーストリテーリング傘下に入った靴小売チェーンのワンゾーン(旧靴のマルトミ)にも食指を伸ばしている」(外資系靴メーカー)という。オーナーの三木正浩氏は、その人脈や資産運用をめぐってSECから公安マターまで様々な噂が飛び交う人物。昨年八月の突然の会長退任の真相もいまだ謎に包まれたままだ。
 ABCマートといえば、同社が参戦していたTBSと楽天の統合問題が膠着状態に入って久しいが、「六月の株主総会でTBSが放送持ち株会社制度を導入する可能性がある」(総務省関係者)という。(後略)

 

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