記事(一部抜粋):2007年2月掲載

政 治

機致命的な「情報力」の欠如

安倍の唯一の方策は「居直り」【永田町25時】

「小泉内閣と安倍内閣では、閣議の雰囲気がまったく違う」と官邸の事務方がいう。小泉内閣では首相が登場すると閣議室に緊張感が走った。私語をする者などいない。誰もが小泉純一郎の顔をそれとなく窺い、機嫌がいいか、健康状態はどうかなどを探った。安倍のほうは、よくいえばリラックスムードだ。財務相の尾身幸次や農水相の松岡利勝らは、安倍が閣議室に入ってきても書類から目を上げようともしない。行革担当相の渡辺喜美らおしゃべりな若手は私語を続ける。たとえていえば中学校の教室のようなものだ。
 どこからこの差が生まれるのか。閣僚たちが小泉に抱いた畏怖の念が、安倍に対してはほとんどないためだ。誰もが安倍と自分は親しい、だから閣僚に登用されたと思っている。友だち感覚だから、気を使わなくても大丈夫。多くの閣僚がそういう態度なのだ。
 友だち感覚は安倍の性格から来るもので、それ自体は長所といえるが、リーダーシップが求められる宰相としては深刻な欠陥となる。別の言い方をすれば、利害が錯綜する政界で嘗められたらトップは務まらない。
 嘗められる理由は、性格だけでなく安倍の情報力不足もある。どの閣僚も、省内のことは安倍より自分のほうが知っていると確信している。まして、安倍に弱みやスキャンダルをつかまれる恐怖を誰も感じていない。安倍には情報に対する感覚が決定的に欠けている。
 警察庁長官の漆間巌は、遅くとも昨年夏には退官しているはずだったが、居座って庁内の反感をかっている。「安倍さんに慰留されて」、漆間は庁内で公然とそう言い訳する。安倍と漆間が親しいのは事実。霞が関、永田町では、安倍が通常国会終了後に漆間を官僚のトップである官房副長官に登用すると噂されている。だが、安倍はそのために長官に残留させているのではない。警察庁長官としての漆間の情報力を頼りにしているのだ。
 首相秘書官の井上義行はしばしば漆間と長電話をする。特に人事の前になるとそれが頻繁になる。「身体検査」を漆間に依頼していると官邸スタッフは信じている。だが、警察官僚が漆間にあげる情報は確実なものに限られる。たとえば尾身や松岡、防衛庁長官の久間章生らについて「事件になるような情報はあるのか」と問えば、答えは「噂はありますが事件にまではならないでしょう」であるに違いない。しかし、政権を守るための情報とは、その程度ではダメなのだ。
 小泉の首相秘書官、飯島勲の情報源は、警察なら警視庁の捜査2課や4課の警部クラスだった。彼らは全国の警察の情報プロと連絡を取り合っている(後略)

 

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