(前略)
A それもこれも元を正せば、『年次改革要望書』というクリントン政権時代から日本政府に突きつけている公文書が発端のようだ。
B その要望書については、郵政民営化担当相だった竹中平蔵や、前首相の小泉純一郎が「見たことも、聞いたこともない」と全面否定しているよ。
C 在日米国大使館のホームページにしっかり載っているから、知らないというのは真っ赤なウソ。米国の要求に忠実な二人が、この文章の存在を知らないはずがない。この要望書の存在を世に知らしめたのは、関岡英之が書いた『拒否できない日本』(文春新書)と言う本だけど、彼は最終的に「この要望書は内政干渉文書だ」と結論付けている。
A 要望書の内容を在日米大使館のホームページで見たことがある。確かに昨年の暮れに手渡されたもので、A4で実に四五頁に渡る要求内容だった。こんなもの、まともに実践したら日本企業が弱体化してしまう。
C 続発する官製談合事件の摘発も、要望書が発端と言われている。
B 10月が福島、11月が和歌山、そして12月が宮崎と毎月、県のトップが談合で逮捕されるという異常事態になっている。これもそうなの?
C 「公正取引委員会の権限を強化して、日本的システムである官製談合を撲滅しろ」と要求しているようだ。
A どうも次は名古屋らしい。詳細は言えないけど、中部国際空港の利権に関わった某組織が暗に「忘年会や新年会で、県や市の担当者や関係者と接触しないように」との御触れを出しているという。さらに「当分、公共工事にはありつけなくなるかもしれない」とも言っているようだ。
C やられることがわかっているということか。
B 中部国際空港は「民間主導でコストダウンが出来たモデルケース」と絶賛されているじゃない。何が問題なの?
A 空港用の埋め立て土砂利権に絡む疑惑。愛知県企業庁が計画していた内陸造成事業ではなく土砂搬入にしたため、50億円程度のコストアップになったこと。
C 福島の談合摘発は、直接、談合の話し合いに加わっていなくとも、影響力を理由に知事を逮捕した。もし中部国際空港絡みの捜査が進むとなると、どこまで手を入れられるか見物だね。
B 何だか、要望書にかこつけて、官庁職員の団塊世代の大量退職に向けた天下り先の確保をキャリアがせっせとやっている構図が見えてくる。
A 国家公務員と国会議員は、もっと真剣に国益を考えて行動した方が良い。
B ところで12月8日、東証は「反社会的勢力を市場から排除する」という名目で、警察庁・警視庁と協議の初会合を開いたらしい。これでマル暴などの闇勢力を市場から排除できるんだろうか。
C 現実には難しいだろう。その会合の内容は、上場会社や上場してくる会社の役員や大株主、さらには主要取引先などを、当局の持つ「準構成員と元構成員リスト」と照らし合わせるというもの。だけど、そもそもフロント企業の役員にはカタギを持ってくるケースがほとんどだ。
B 役割分担が決まっているわけだ。
C 例えば、「090金融」や売春させる風俗店なんかは若いカタギの店長を持ってきて、「1年間は捕まらないようにしないと赤字になるからな」って脅してる。中には「ヘタ打つと海に沈める」と言われるケースもあるらしい。
A 当局が意図的にリークしているのかどうかはわからないけど、マークしているとされる上場会社のリストが出回っている。それに並行する形で週刊誌のバッシングも始まった。
B 12月7日発売の『週刊文春』でしょ。『週刊新潮』の楽天バッシング記事同様、《「テイクアンドギブ・ニーズ」に当局が何度も事情を聞いている》と書いてあった。
C 新潮が書いた「楽天への事情聴取」はどうやら無かったようだから、最終的に新潮サイドが折れる形で和解になる可能性が高い。
B 楽天はあの記事で叩かれた株価40万円割れが絶好の買い場だった。その後5割高になっている。こうやって見ると、週刊誌も罪つくりだよ。(後略)