いまや自・公連立政権最大の支持団体と化した創価学会の新会長に原田稔・前副理事長(65歳)、新理事長(宗教法人代表役員)に正木正明・前副会長(52歳)がそれぞれ就任した。1981年7月に北条浩・4代目会長の急死を受けて五代会長に就任して以来、5期25年に渡って会長を務めてきた秋谷栄之助(76歳)は7月、6期目の続投を決めたばかりだったが、異例の任期途中での退任となった。
(中略)
6代会長に就任した原田は、創価学会の学生部長・青年部長・東京長・副会長を歴任するとともに、20代で池田の身の回りの世話をする第1庶務の部長・室長を歴任。以後、学会本部事務総長として事務関係を統括してきた。
「池田親衛隊と言われる『伸一会』のトップで、池田門下生の筆頭に位置する人物。公明党の代表になった太田の先輩格にあたるからバランスもいい。ただし典型的な官僚タイプで人望はあまりない。実務は手堅いだろうが、外部との折衝などの面で不安は残る。年齢も65歳と決して若くはない。所詮は1期限りの中継ぎで、今回理事長に就任した正木など50代の創価大学世代に引き継がれるだろう」(元学会本部職員)
その正木は創価学園・創価大学出身で、学会の男子部長・青年部長・壮年部長・東京長・副会長などを歴任。こちらも学会本部の役員室長なども務めた池田子飼いの幹部で、池田の長男・博正の側近としても知られる人物だ。
「創価大学のOB会である創友会の理事長を務めるなど創価大学閥のトップに立つ文字通りの池田の直弟子。世襲体制の要になる人物と見られている」(同)
秋谷は戸田城聖の弟子であり、戸田の存命中は「秋谷城永」と名乗っていた。つまり池田大作とは兄弟弟子という関係になる。これに対して原田と正木、そして公明党代表の太田、幹事長の北側は池田門下生のエリート。学会と公明党はともに池田の直弟子体制になったわけだ。
「新体制では池田色がこれまで以上に強まることになるだろう。すでに原田は、学会本部の幹部会で、竹入義勝・元公明党委員長や山崎正友・元創価学会顧問弁護士など造反組に鉄槌を下すと決意表明。太田も公明党全国大会で竹入のような不知恩の議員とは徹底して戦っていくと決意表明した。組織の求心力を高めるために、さらに排他性・独善性を強めていくはずだ」(創価学会に詳しいジャーナリスト)
原田と正木は、学会の機関紙である『聖教新聞』に恒常的に掲載される幹部座談会の常連出席者であり、学会と対立する日蓮正宗や造反した元幹部や議員、さらには学会を批判したことのある自民党・民主党・共産党の議員やジャーナリストに対する誹謗・中傷を繰り返している。特に原田はこの3月、座談会記事での発言が名誉毀損にあたるとして、東京地裁から80万円の賠償金支払いを命じられたほどだ。
問題となったのは2004年2月13日付に掲載された「大石寺は悪鬼魔民の栖」とタイトルのつけられた座談会。この中で当時の青木亨理事長、原田、奥山義朗副会長、杉山保青年部長、弓谷照彦男子部長らが、日蓮正宗・本妙坊の樽澤道広住職が、1995年に行われた葬儀に際して戒名料200万円を強要したとして、《強欲のクソ坊主》《卑しい商売根性丸出しのやつ》《ボッタクリ》《法を食らう餓鬼そのものだな》などと誹謗した。
記事内容が事実無根だったことから、樽澤住職が宗教法人創価学会と発言者の原田らを相手取り提訴。東京地裁は原田らの名誉毀損、不法行為責任を認めた。判決は確定し、原田らは賠償金を支払った。(後略)