記事(一部抜粋):2006年5月掲載

経 済

「楽天」関連会社がマル暴系と取引?

【情報源】

 TBS株の大量取得による経営統合を目論んだ楽天だが、依然として膠着状態が続いている。3月までに一定の結論を出すとしていたが、結局、6月まで持ち越しとなった。
「6月の株主総会でTBSが強硬姿勢を見せるようなら、楽天はTOB(株式公開買い付け)などの敵対的な手段をとる可能性もある」(大手紙デスク)といい、そうなるとバトルの再燃である。
 その楽天をめぐっては、同社の息がかかった企業が東京・銀座五丁目の一等地にあるビルを買収した一件が、関係者の注目を集めている。というのも、このビル、その所有権がコーリン産業や大平産業などバブル期に名を馳せた企業を転々とした挙げ句、広域暴力団幹部がオーナーを務めるM社によって買い取られたという、いわくつきの物件だからだ。しかも、その所有権や借地権(土地の所有者は第三者)をめぐっては、前の所有者である大平産業が「一連の取引は不正だった」と告訴に及ぶなど権利関係が複雑で、一部には「瑕疵物件ではないのか」と指摘する向きまである。
 問題のビルを暴力団系M社から買い取ったのはクオンツなる会社。同社はJASDAQに上場していたイーラックスの子会社だったが、昨年4月、楽天証券が設定したプライベートファンドに買収された。ビルの所有権がM社からクオンツに移ったのは昨年7月、同社が楽天の傘下に入って間もなくのことだ。なお、この所有権移転に伴い、東京スター銀行が43億5000万円の抵当権を設定している。
 バブル紳士に事件屋、マル暴系企業、さらには旧住友銀行のイトマン事件に連なる人脈も登場する、このいわくつき物件に、クオンツがあえて手を伸ばしたのはなぜなのか。しかも不可解なのは、同社が実勢価格の3倍ともいわれる高値でビルを購入したとみられる点だ。
「仮に楽天サイドが暴力団に何らかの弱みを握られ、その見返りに高値で引き取ったとするならば、利益供与の疑惑が浮上しかねない」(警察関係者)
 今のところ憶測が先行している形だが、今後スキャンダルに発展する可能性も否定できない。(後略)

 

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