記事(一部抜粋):2005年12月掲載

経 済

メガバンクの新たな「火種」

【情報源】

 2005年中間決算で復活ぶりを示したメガバンクだが、ここにきて内部抗争やスキャンダル、そして大口融資先の混乱など新たな火種が燻り始めている。
『週刊現代』がスッパ抜いたメガバンクトップの愛人騒動。銀座のホステスで現在はAV女優の愛人が自ら持ち込んだネタで、記事では銀行名も本人の名前も伏せられているが、これは東京三菱銀行のK氏。UFJと経営統合して間もない行内には、さすがに動揺が走っているという。今後はこれまで劣勢にあったUFJサイドの巻き返し、両陣営による告発合戦を予想する向きもあり、システム統合トラブルも相まって、まさに多難な船出となりそうだ。
 来年にも次期首脳人事が予想されるみずほグループでも、怪文書、内部告発文の類が飛び交うなど水面下の権力抗争が始まっている。みずほFGの次期トップ候補としては、旧富士銀行出身の金治正良みずほコーポレート銀行副頭取と町田充みずほ銀行常務、旧興銀出身の中山恒博みずほコーポ副頭取と喜多野利和みずほコーポ常務らの名前が浮上している。前田晃伸・現社長は旧富士出身。タスキ掛け人事でいけば、次は旧興銀出身者の出番だが、「前田社長は旧富士出身者を後任に据えようと虎視眈々」(みずほ関係者)とも。春までに公的資金を完済すれば前田続投の可能性もあるという。
 みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の主導権争いも注目される。みずほグループでは「旧興銀のみずほコーポがみずほ銀行に吸収される形での統合シナリオがそもそもあった」(業界関係者)にもかかわらず、いまだ2行体制が維持されている。みずほ銀行では旧富士が旧第一勧銀を抑えて主導権を握っており、前田みずほFG社長は旧富士主導の1行体制確立を目論んでいるといわれる。しかし「特別検査や増資をめぐる金融庁との折衝では旧興銀人脈の存在感が際立っていた」(みずほ関係者)ことや、みずほコーポの投資銀行業務が予想外に利益を稼いでいることもあって、旧興銀の斉藤宏頭取率いるみずほコーポにも勢いがある(後略)

 

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