記事(一部抜粋):2005年11月掲載

経 済

問題企業の陰にワケあり監査法人

【情報源】

 カネボウの粉飾事件は、中央青山監査法人の公認会計士4人が逮捕され、うち3人が起訴されるなど「日本版エンロン事件」の様相を見せているが、今後の注目点は、事件が各方面にどう波及するか。
 金融庁の行政処分を受ける中央青山の行方もさることながら、同監査法人が担当する企業への不信が高まり、混乱に拍車をかける事態が危惧されている。実際、兜町周辺では、逮捕された4人の会計士が担当していた「23社リスト」なるものが流れている。同監査法人が担当する上場企業は800社にものぼるだけに、その影響は計り知れない。
 間接的な影響も懸念される。ある大手企業幹部は「中央青山以外の監査法人も今回の事件でナーバスになっており、今後はこれまで以上に厳しい監査が行われるだろう」と警戒感を強める。
 たしかに、カネボウ事件を機に金融庁の監査法人に対するチェックが厳しさを増すのは間違いなく、その結果、銀行や生保、一般事業法人、さらには不透明感がつきまとう新興上場企業の隠れ損失や粉飾が、監査法人の手によって白日の下にさらされる可能性は否定できない。この監査法人問題が9月中間決算にどのような影響を及ぼすかが、当面の大きな焦点だ。
 そうした中でいち早く関係者の注目を集めているのが、「問題企業の駆け込み寺」として知られる国際第一監査法人だ。
 同法人が担当する上場企業をみると、風説の流布で司直のメスが入ったジャパンメディアネットワークの親会社だったJASDAQ上場の大盛工業、アングラ勢力に食いつぶされた末に倒産、架空増資事件へと発展した丸石自転車のほか、ウイン、ヤマシナ、オメガプロジェクトホールディングス、修学社、東海観光、イチヤ、東理ホールディングス、ジェイ・ブリッジ、トランスデジタル、ピックルスコーポレーション、アドバンスクリエイトなど、いずれも「業績不振」「買収」「仕手株」がキーワードの注目銘柄がずらりと並ぶ。
 ちなみに、国際第一監査法人のキーマンといわれてきた山本義昌前理事長は、会計士でありながら、バブル期には自ら不動産投資にのめり込み、その挙げ句、今年7月には同前理事長が実質的に経営していたワイ・エイ・デイなど5社が合計300億円もの負債を抱えて自己破産している。今後は、監査先企業の動きとともに、同監査法人自体の行方にも注目が集まる。
 このほかには、森電機、ペイントハウスなどを担当する東京国際監査法人、そしてヒューネット、アイビーダイワ、ニューディール(旧リキッドオーディオジャパン)、倒産したゼクーなどを担当するアスカ監査法人といったあたりも注目の的だ。(後略)

 

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