記事(一部抜粋):2005年4月掲載

政 治

「変態おじさん」当選に向け

小泉周辺が繰り出す裏ワザ

(前略)
 もともと小泉周辺の自民党幹部は山崎を自民党公認とすることに反対だった。不倫相手の暴露で「変態おじさん」の印象が定着した山崎は、2003年の選挙では女性票に逃げられ、学歴詐称疑惑で辞任した民主党の古賀潤一郎に敗北した。その傷はまだ癒えておらず、民主党が有望な新人を立てれば、勝ち目はないとみられたからだ。
 ところが小泉は「唯一の酒飲み相手」である山崎の擁立に固執。周辺を押し切って自民党に公認させた。山崎はその見返りに、従来は反対だった郵政民営化実現への協力を約束、地元での該当演説で訴えている。
 対抗馬として民主党が選んだのは車椅子のイケメン弁護士、37歳の平田正源。68歳で汚れたイメージの山崎に対し、19歳のときに交通事故で脊髄を損傷して半身不随となり、奮起して米国で弁護士資格をとったという選挙受けしやすい経歴。ただでさえ山崎不利という声が強い中、3月10日、自民党衆院議員の中西一善が東京・六本木の路上で強制猥褻の現行犯で逮捕され、「これで変態おじさんの勝ち目はなくなった」という見方が永田町に広がった。
 ところがその後、選挙が近づくにつれ必ずしも平田が勝つとは限らないという観測が自民党内に浮上し始めた。小泉周辺が政権をもつ強みで次々に繰り出すあの手この手の「裏ワザ」が効果を発揮しそうだからだ。
 平田の民主党公認が決まった途端、平田が在日韓国人3世であることが地元から指摘され、「故意に隠しているのでは」という声に急遽記者会見を開いて平田が事実を認める一幕があった。これに気をよくした小泉周辺が平田の経歴を徹底調査。その結果、「選挙戦に入ったら暴露する致命傷が見つかった」(自民党幹部)という。(後略)

 

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