記事(一部抜粋):2005年3月掲載

政 治

民主党プリンスの不倫疑惑

「ポスト小泉政局」に波及も

 民主党の「次の内閣」防衛庁長官、前原誠司の不倫疑惑が国会に出回っている。噂の相手はこともあろうに昨年の参院選で初当選した32歳の同党女性参院議員。元地方放送局のアナウンサーで朝日新聞記者と「できちゃった結婚」した経歴の持ち主だ。42歳の前原も既婚だから、本当ならダブル不倫ということになる。
 自民党幹部によると、2人が地方のホテルを逢い引きの場所に使い、出入りするのを複数の政界関係者が目撃しているという。「証拠写真」があるともいい、同幹部は「そのうち週刊誌が書く。前原は政治的に大きなダメージを受ける」と断言する。
 少し前なら「前原はモテるし度胸もある」と言われる程度ですんだ話かもしれない。しかし噂が流れ始めたのが、ポスト小泉をめぐる与野党の駆け引きが始まろうとしている2月に入ってのこととなると、単なる艶話ではすまない。このダブル不倫、政局に大きなインパクトを与える可能性がある。
 民主党内では副代表の小沢一郎と代表の岡田克也の関係がいよいよ険悪になってきている。
「岡田はダメだ。自民党が小泉の後に安倍晋三を立ててきたら、はたしてこちらは岡田でいいのか」
 小沢はしばしば側近にそう語り、岡田にはポスト小泉を戦う国民的人気も政治家としての力量もなく、政権はとれないという考えを示している。
 その小沢の肝入りで同党内に発足したのが中堅・若手四五人の勉強会「人の和の会」だ。その趣意書に「ルールとメールの無機質な党、優等生ばかりのスズメの学校、260名のバラバラな集団などと、いつまでも揶揄されているわけにはいかない」とある。明らかに、岡田の政治姿勢、体質への批判だ。
 2月1日、都内のホテルで開かれた初会合には25人の議員が出席した。会長に就任したのは小沢側近の山岡賢次、そして5人の副会長の1人に前原がなった。民主党内の派閥力学からみると、小沢派と鳩山派が連携した形で、小沢の岡田追い落とし戦略の一環であるのは間違いない。小沢側近が次のようにいう。
「勉強会の中からポスト小泉を戦う党代表を選ぼうというのが小沢さんの考えだ。第1候補は前原。会の若手メンバーの大半もそう思っている」
 前原は安全保障の論客。考え方も柔軟で、小沢と折り合える。加えて年齢は50歳の安倍より若く、ルックスも悪くない。
 しかし、その前原にダブル不倫疑惑があり、それが国民に広まれば党代表というわけにはいかない。小沢戦略は見直しを迫られ、場合によっては小沢本人が出馬を決意しなければならないかもしれず、岡田続投もありえる。小沢は野田佳彦ら自分の手の内にない者を代表にするわけにはいかない。(後略)

 

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