(前略)
B しかし、二兆円の一部が毀損するというだけで済むだろうか。りそな銀行だけではなく、近畿大阪などの資産査定もやるわけで、その結果として追加注入の必要性も出てくるという見方が強まっている。二兆円はあくまでもりそな銀行の繰延税金資産問題で注入されたものであって、りそな銀行の資産やそのほかのりそなグループ銀行の資産や自己資本はこれからの問題として残されているわけだからね。
C その通りだ。仮に、経政会が自民党総裁選で主導権を取り戻すような状況になっていたら、りそな処理もウヤムヤにされたかもしれないが、そうはならなかった以上、りそな問題は行き着くとこまで行くという線が濃厚になった。
A 政治の世界はそうであっても、公的資金の毀損や追加注入に真っ向から反対している財務省がどういう動きに出るか。たとえば、小泉首相の道路公団問題も結局のところ、損失を絶対に表面化させないという財務省の戦略の通りに進んでいる。その財務省は、りそなへの公的資金注入そのものに激怒していた。「出さなくてもいいカネを出した」という理屈だ。
B まあ、そのファクターは決して無視できないけど、政治の流れのほうが大きな影響を及ぼすことは間違いない。財務省も自己保身意識が強いしね。ただし、総裁選が終わっても衆院選があるから、それ以前の段階で混乱が置きかねない荒療治に出るとは考えられない。
C 九月の中間決算は無難に終えて、来年三月の通期決算までの間に、一挙に公的資金問題に持っていくという話が出ている。つまり来年三月決算のときには、りそなはこのままではすまなくなっているというわけだ。B やはり追加的な公的資金注入は避けられないだろう。(後略)