記事(一部抜粋):2003年9月掲載

社会・文化

雪国VSホクトの「キノコ戦争」

価格競争仕掛けて淘汰すると最後通牒

 (前略)
 これまで両社は、雪国がまいたけ、ホクトがぶなしめじとエリンギ、と互いの得意分野に専念し、相手の領土(市場)に侵食しないことで長年「棲み分け」を図ってきた。いわば「越後の龍」と「信濃の虎」の両雄が並び立ってきたわけだ。
 その微妙な均衡が最初に破れたのは二〇〇一年七月のこと。ホクトが先陣を切って、雪国の領土であるまいたけ市場への参入をぶち上げたのだ。静岡の新工場でまいたけ生産を開始するのを皮切りに、二〇〇三年までに全国シェア五〇%を奪取すると宣戦布告したのである。
 雪国にとってはまさに晴天の霹靂。しかし、このまま手を拱いていては確実に領土を侵食されてしまう。すかさずホクトが支配するエリンギとぶなしめじ市場への進攻を発表。カウンターパンチを繰り出した。
 以来、雪国とホクトは全国の食品スーパーを主戦場に、一進一退の攻防を繰り広げてきた。両雄の争いのあおりで商品単価は下落、家庭の主婦にとっては有り難い戦争といえたが、当事者ににとって体力をすり減らす苛酷な消耗戦だった。
 そうした中、ホクトがついに「総攻撃」の号令を発したのが、この七月七日。(後略)

 

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