【金融ジャーナリスト匿名座談会】
A 要は、りそなの一件を利用して、金融庁の動きを封じ込めようとする勢力があるということだろう。
C 高木祥吉・金融庁長官などがこの間やってきた腕づくによる再編は確かにやりすぎだったと思う。しかし、だからといって世論を巧みに誘導して主導権争いに利用するのはもっと危険だ。
B そうしたゴタゴタを物語っていたのが金融庁の幹部人事だ。内示が出るギリギリまで人事の内容は官邸に報告されなかったが、これは最後まで紆余曲折があったという証拠だろう。どう考えても、金融庁バッシングのムードを引き起こして金融庁の幹部人事に圧力を加えようとした勢力があったとしか思えない。
C 金融庁も酷いといえば酷いものだった。抜本的な処理を避け続けたというだけではない。幹部たちは本気になって問題に取り組むという気構えをなくしていた。
B しかし、だからといって金融庁を陥れる陰謀めいた画策が認められていいわけではない。
A 金融庁には内部対立がある。従来の路線を維持しようとする派閥と、竹中大臣に近い急進派だ。前者が主導権を握っているが、後者も手ごわい。そんな事情も関係しているんじゃないかな。
B 「何も問題はない」「次第に良くなっている」という、相変わらずの政府発表の一方で、実体経済、そして金融は悪化し続けている。内部対立などをやっている場合ではないが、まあ、打つ手がなくなると最後には仲間割れになるというのは世の常だ(笑)。(後略)