記事(一部抜粋):2003年7月掲載

経 済

予定利率引き下げで「朝日・大和合併説」浮上

【金融ジャーナリスト匿名座談会】

A りそな銀行の実質国有化でバタバタしているうちに、国会では生保の予定利率引き下げ法案が成立した。火事場泥棒のような出来事だが、痛切に感じるのは、民主党をはじめとする野党の不甲斐なさだ。日銀出身という触れ込みの民主党議員にしても、真っ当な政策批判をしたというより、実際にやったのは、りそなの行員からの内部告発の宣伝だった。あれでは、日銀出身というキャリアが泣くね。
B 泣きたいのは国民だ。ドサクサ紛れに生保の予定利率引き下げに道筋をつけられてしまった。実際に引き下げが行われれば、相当な影響を受けることになる。
C 金融庁の高木長官は、「解約するとかなりな損になるので、予定利率の引き下げがあっても、保険加入者による解約騒ぎは起きない」などと周囲に語っていた。騒ぎさえ起きなければいいという金融庁の本音をいみじくも示した発言だ。
B しかし保険加入者のダメージは大きい。実際に引き下げが発動されたら、一挙に生保離れが加速するだろう。
A りそな処理といい、予定利率引き下げといい、そのやり方を眺めていると、政府は国民の理解など得る必要はないと考えているとしか思えない。国民にどう思われようが強行突破するしかないという姿勢だ。
B そもそも金融庁は今国会の早い時期に、予定利率引き下げ法案を成立させる腹積もりだったが、自民党から「まだ国民の理解が得られない」と横槍が入ったことで国会審議を後回しにされた。しかし実は、国民の理解など詭弁にすぎなかった。統一地方選を控え、選挙に悪影響が及びかねないので後回しにしただけだ。その選挙が与党勝利で終わり、もう怖いものはないというので強行突破となったわけだ。(後略)

 

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