記事(一部抜粋):2003年7月掲載

政 治

「反小泉」幹部は踊れど若手踊らず 

小泉の総裁再選がほぼ確実に

 6月に入ると首相、小泉純一郎のマスコミ各社による支持率が50%を大きく上回り、NHKでは59%に達した。株価も回復基調に転じ、日経平均は9000円近い水準まで戻した。永田町では、近づく九月の総裁選に向けて反小泉勢力の動きに拍車がかかった。だが、そうした動きに反比例して、高支持率の首相を引きずり降ろすのは至難との観測が広がりつつある。自民党内実力者の思惑は錯綜し、小泉に対抗する総裁候補の一本化は難航が必至の状況。一部には、来年夏の参院選に都知事の石原慎太郎をかつぎ出すまで勝負を先延ばしする戦略も浮上している。
 秋の自民党総裁選は、都道府県連に割り当てられる300票と衆参両院議員の355票で争われる。その票読みをして、「小泉再選は100%ない」と断言したのは前政調会長の亀井静香だ。亀井は5月28日、中央大学で講演し、次のように語った。
「300票の地方票のうち、小泉首相が獲得できるのは40から50票。国会議員は90票に達するかどうか。一方、反小泉勢力の4派(橋本派、江藤・亀井派、堀内派、河野派)で国会議員が220票、地方票を合わせ反小泉勢力の過半数獲得は確実だ」
 亀井の狙いは明らかに、小泉が不利という認識を自民党内に広げることにあった。だが、亀井の計算が成り立つにはいくつかの前提が必要になる。(後略)

 

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