記事(一部抜粋):2002年6月掲載

経 済

大和銀行が「破綻」石川銀行に急接近

【金融ジャーナリスト匿名座談会】

(前略)
B 石川銀行をめぐっては、北陸地域の自治体ベースで水面下の動きが続いている。東京にいると、何も実感できないが、地元では大きな問題だからね。結局、地元では北陸銀行に事業譲渡できないかどうかが焦点となっている。
A しかし、北陸銀行は地元ゼネコンの佐藤工業の問題を抱えていて、それどころではないというのが本音ではないのかな。
B たしかにそうだ。しかも、公的資金受け入れの際に発行した優先株の配当問題も燻っているしね。生きている銀行同士で合併すれば、「合併差益」というメリットが得られるが、片方が死んでいるのだから、そのメリットもない。北陸銀行は北陸地域に広範囲の店舗網を持っているので、おそらく、石川銀行を譲り受けると、重複感が出るだろう。しかも、首都圏のように、銀行本位の発想で店舗を閉めるといったこともやりにくい。石川県の店舗をどんどん閉めてしまうと、「北陸銀行は何様のつもりだ」という批判を浴びかねない。つまり、北陸銀行にとってはリスクが大きいということだ。
C だからこそ、いまだに処理がもたついているわけだ。ところで、ここにきて、まったく別の興味深い動きが出始めている。これが、なかなか面白いんだ。
A 北陸地域の別の地銀が動き出したということか。
C いや、そうじゃない。まったく違ったところから手が半分ほど上がり始めた気配がある。関西からだ。
B 大和銀行?
C そのようだね。大和銀行は都銀から地銀へと生き方を変えて、あさひ銀行を実質的に傘下に収めた。その過程で、大和銀行の構想がいよいよ具体化してきた。要するに、持ち株会社形態を活用しながら、地方銀行を傘下に収めていく。そして、地域銀行ネットワークをつくり上げていくということだろう。(後略)

 

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