(前略)
陳情を捌くのは与野党を問わず政治家の役割である。それを献金と結び付けて「収賄」とするのは、やはり難しい。検察があくまで 「裏ガネ」にこだわるのは、隠さなくてはならないというカネの性格が、贈賄側と収賄側の双方の“犯意”を裏付けるからである。
「必要とあれば国税も」という前出の検察関係者の言葉は、宗男と親しい業者の税務調査を通じて不審なカネの流れを見つけ、業者から供述を引き出したうえで宗男に駆け登るという検察の発想を物語る。これは、昨今の政界捜査のパターンに沿っている。
まず裏ガネの授受。その時、宗男に贈収賄に問えるような職務権限があったかどうか。これが宗男疑惑の進展を読むカギだ。
それを踏まえて宗男疑惑を眺めた時、やはり“本線”と言えるのは、そのものズバリの職務がある北海道沖縄開発庁長官(97年9月〜98年7月)時代の公共工事への口利きと、予算の策定や事業の選定に職務権限が発生する内閣官房副長官(98年7月〜99年10月)時代の公共工事に絡むものになる。(後略)