(前略)古賀らは「これから秋にかけて、政策課題の実現を一つひとつ潰すことで、真綿で首を絞めるように小泉政権の体力を奪っていく作戦を立てている」(橋本派幹部)ようだ。同幹部の解説によると次のようになる。
まず小泉が執念を燃やす郵政事業への民間企業参入を事実上、挫折させる。具体的には4月下旬に総務省が国会に提出する郵政公社設置法案と親書郵便法を骨抜きにして、ヤマト運輸など民間企業に「これでは参入は無理」と批判させる。
次に道路公団民営化のための第三者機関のメンバーに、高速道路建設推進派を送りこむ。メンバー人選について道路族は、国会同意は譲って無しにしたが、事前調整を小泉に約束させている。
この2つで小泉に傷を負わせれば、改革の看板は色褪せる。加えて4月18日に国会提出した有事法制関連三法案を今国会では成立させず、審議未了で継続とする。これは国会会期の大幅延長を阻めばいい。さらに靖国神社参拝で揺さぶり、夏にヤマ場がくる税制改正で小泉サイドから主導権を奪う。党税制調査会の山中貞則ら、うるさ型は財政経済諮問会議主導の改革論議に強く反発しており、それを煽るのは簡単なことだ。(後略)