(前略)
エクソンモービルの国内各社の関係図(別掲)をみると、複雑な企業群をペーパーカンパニーの「エッソ石油(有)」が率いるという奇妙な体制をとっていることがわかる。
(中略)
米国本土のエクソンとモービルが合併したのは99年12月のこと。当時、米エクソンの100%出資孫会社ったエッソ石油と、米エクソンが50.1%出資していたゼネラル石油は、すでに合併に近いサービス相互提供契約という業務統合を行っていた。しかし米モービルの100一%子会社であるモービル石油と、米エクソ
ンと米モービルがともに25%ずつ出資していた東燃の二社は、同じ外資系として近い間柄ながら独自の経営を貫いてきた。
特にモービル石油は同じメジャー系列の石油元売りとして、エッソ石油と激しく競いあっていた。全農、商社など大口需要家を相手に商売するモービル石油と、系列給油所を中心にしたリテール商売を重視するエッソ石油は、いわば水と油の関係。
「モービルは常に、エッソと仲の悪い企業と仲が良い」と他社が陰口を叩くほどだった。(後略)