記事(一部抜粋):2002年3月掲載

社会・文化

「芸能界汚染」に挑む国税の“意志"

テレビ局プロデューサーに芸能マスコミ、目にあまるタカリの実態

(前略)
 問題なのは国税当局の意欲と意思である。
「狙いは2つです。1つは摘発を繰り返されても一向に改まらない芸能界の脱税体質に徹底的なメスを入れること。もうひとつは芸能プロに群がる闇勢力や政治家などの資金源を断つこと。この問題が片づかない間は、何度でも芸能界は摘発の対象になるでしょう」(前出の国税庁担当記者)
 こうした国税当局の“芸能界イジメ”に、芸能プロ関係者は怒りを隠さない。
「芸能界はコストプラス適正利潤で運営できるような世界じゃない。ムダの積み重ねの中で、ようやく1人のスターが生まれる。それは世界共通の認識にして伝統。カネを収奪することばかり躍起になっていると、結局スターは生まれず、芸能界は干からびる。税金を取る側は、そちらの方も心配すべきじゃないか」(芸能プロ幹部)
 しかし、芸能界が裏社会や政界、群がるプロデューサーや芸能マスコミと、カネを媒介にしてここまで野放図で爛れた関係となったのは、ここ十数年来の傾向であり、堂々と続けられてきたものではない。
 興行にしても、演歌は裏社会が仕切ったとしても、フォークソングやロックのコンサートに裏社会が口を出すことはなかった。今やその“棲み分け”が崩れ、ビジュアル系まで含めてすべての芸能界が、暴力団勢力と一体化したかのような印象だ。あるいはサラリーマンであるテレビ局のプロデューサーやスポーツ紙やワイドショーの芸
 能マスコミが、ここまで芸能プロにたかるという“腐食の構図”はこれまでなかった。 (後略)

 

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