記事(一部抜粋):2002年1月掲載

経 済

永代信組に当局のメスは入るか

杜撰な融資に警視庁が重大な関心

 二〇〇二年、金融機関は戦後最大の危機を迎える。大手銀行はもとより、信用組合や信用金庫にいたるまで、金融不安がますます広がっていくのは間違いない。そうした中、その帰趨が注目されているのが、都内信組では第二位の預金量を誇る永代信用組合(本店江東区門前仲町・山屋幸雄組合長)である。(中略)その永代信組には、実は捜査当局も注目している。赤字に陥った二〇〇〇年三月期以降、警視庁捜査二課が内偵を進めてきた。
 バブル崩壊後の永代信組にとって、大きな課題となっていたのは、故・横井英樹の残した負の遺産だった。横井といえば、これまでホテルニュージャパンの跡地処理にともなう千代田生命との関係などがクローズアップされてきたが、永代信組も横井に対する三五億円の融資が不良化して残っていた。
 その回収を図るために親密になったのが、横井のブレーンだったO氏。ホテルニュージャパンの処理で暗躍したとして一部では知られた人物だ。(中略)ある捜査関係者が以下のように話す。
「捜査当局の狙いのひとつは、永代とO氏との不可解な取引でしょう。今ではO氏は横井の息子たちともトラブルになっているが、もともと永代に取り入るため、職員を接待づけにし、顎足つきで海外旅行にまで連れて行っている。むろん、それは融資を引き出すためであり、永代側にとっては背任行為になりかねない。おまけに、O氏に関しては、永代に対する30億円もの協力預金の疑いまで浮上しているのです」
 それだけではない。捜査当局としては、ことが都内第二位の信用組合問題だけに、さらに広範囲に捜査を広げている。なかでも、問題なのが山屋組合長をはじめとした幹部がかかわった融資案件だという。(後略)

 

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