記事(一部抜粋):2002年1月掲載

政 治

土建国家ニッポンに風穴は開いたのか

政・官・業による「公共事業複合体」の壁は厚い

 「(無駄な道路を)造ることによって誰かが利益を得るみたいな『土建国家』から決別していかなければならないのではないか。それが小泉改革です」
 石原伸晃・行政改革担当大臣は二〇〇一年六月二四日の「サンデープロジェクト」(テレビ朝日系)で、こう大見得を切った。
 それに先立つ二一日、政府の経済財政諮問会議は、経済改革の大枠を示す、いわゆる「骨太の方針」を決定している。その第二章は公共事業問題に充てられ、道路特定財源や分野ごとに作成される長期計画の見直しなどを打ち出していた。
 それから六カ月余り。小泉内閣の公約は果たされただろうか。さまざまな弊害をもたらす土建国家ニッポンに決別する確たる歩みは始まったのだろうか。
 確かに一歩は踏み出されたが、その歩みは弱々しく、場合によっては止まってしまいかねない。それが筆者の現時点での結論である。
 そう判断する有力な根拠が、一一月二七日に政府・与党によってまとめられた「(日本道路公団など)先行七法人の改革の方向性について」だ。そこでまず、首相官邸と自民党道路族が激しい綱引きを演じた道路公団の民営化問題について経過を振り返り、結果を吟味してみよう。(後略)

 

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