政 治
「石原新党」が火をつける大再編
6月「新党」結成で自民・民主「離脱組」がなだれを打って合流
石原慎太郎・東京都知事を党首とする新党が六月に結成されることが、ほぼ確実となった。七月末の参院選では猛烈な風を起こし、自民党を大敗に追い込む公算が高い。多数の自民党、民主党の都市部選出議員が新党に合流すれば、政界は一変する。
政界大再編の後の「石原首相」実現が、夢物語ではなくなる可能性が出てきた。 自民党総裁選の候補者四人が出揃った四月一二日、石原が都庁で行った定例会見が一部政界関係者の注目を集めた。「いよいよ、石原は新党旗揚げを決断したに違いない」(亀井静香政調会長側近)と受け取られたからだ。
石原はこの会見で、「東京都にとってもっとも良い候補者は」との質問に、「興味ないよ。おれは(自民党に)期待していないから、自民党を出たんだ」と言い放った。記者団が期待していたのは、近ごろ“兄弟分”の関係が復活したと言われる亀井静香への応援の言葉だった。
だが、石原の態度は自民党など眼中にないと言わんばかりだった。 そればかりではない。小泉純一郎元厚相と橋本龍太郎元首相の二人については、「テレビで構造改革って言ってたけど、良く分かっていない。おれの論文を読んでみてくれ。ああいうのが構造改革っていうんだ」とバッサリ。最後には、「参院選後には、自民党も民主党もなくなる。シャッフルだよ」と、政界再編に言及した。
それまで石原は、参院選前の新党旗揚げを決断できず、迷い続けているとされてきた。自由連合を率いる衆議院議員、徳田虎雄らが中心となって昨年から続けている新党結成の動きにも、マスコミから問い合せに対しては「迷惑だ」と言ってきた。
だが側近の一人は、「自民党総裁選の候補者選考をみて、決断ができたようだ」と断言する。周辺によると、石原が迷った理由は、首相になる確かな道筋が読み切れないためだった。
六十八歳の石原は、年齢的には遅くともこの二、三年の間に首相の座を射止めなければならない。しかし、それには都知事を辞任して、国会に戻る必要がある。そのタイミングが最大の難問だった。(後略)