急浮上した則定派と河上派
次期検事総長と目された則定衛・元東京高検検事長(六二歳)が、銀座の元ホステスとの不倫スキャンダルに見舞われ、退官に追い込まれたのは記憶に新しい。この件では、則定氏ら検察主流派といわれる司法関係者と住友グループの“癒着”を象徴するかのような親睦会「花月会」の存在までクローズアップされ、国民の検察不信を招いたのは周知のとおりだ。 現役時代に企業悪と対峙した検事たちも、退官後は弁護士に転身し、企業の防衛サイドに回る。いわゆるヤメ検弁護士だが、彼らには民事事件での利用価値はない。大抵の場合、企業側が彼らに期待するのは、いかに法の抜け道を潜り抜けるかという、刑事問題の処理である。 そのヤメ検の勢力図が、ここのところ変わってきているという。ある司法関係者が話す。「弁護士としてデビューした則定氏と、かつて特捜部長を務めた河上和雄氏が、勢力を競い合っています。その舞台となっているのが、熊本の林ヶ原記念病院とリキッドオーディオ・ジャパンです」
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