記事(一部抜粋):2000年8月掲載

社会・文化

「許永中事件」カギ握る弁護士の行状

ヤマ場迎えた捜査、意外な広がりも

 三年越しとなっている石橋産業事件。その関連捜査が大きなヤマ場を迎えつつある。
 繰り返すまでもなく、事件の主役はイトマン事件の刑事被告人である許永中被告だ。一九九六年から九七年にかけて、許は同社の石橋浩元会長らから一八〇億円もの手形を詐取した挙げ句に失踪。一時は事件がウヤムヤになりかけたが、昨年一一月に警視庁に身柄を拘束され、捜査の展望が一気に開けた。と同時に、捜査当局は失踪中の許の足取りを懸命に追ってきたが、その結果、失踪中の行動が、今回の若築建設事件とも微妙に関係していることが次第に明らかになりつつある。
 実は許の一連の行動を解明する上でのキーマンが存在する。許の逃亡を助け、犯人隠匿で逮捕・起訴された北海道の大和田義益・元弁護士。すでに、犯人隠匿罪に関しては、一審判決で執行猶予となり釈放されている。
 大和田が、許の逃亡資金のスポンサーだった福岡県の化粧品会社「ヴァーナル化粧品」の依頼を受けて暗躍してきたのは週刊誌などですでに報じられている通りだが、その一方で、詐取された石橋産業の手形の一件にも関与してきたという。事情通が言う。(後略、敬称略)

 

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