日経平均株価が上昇、その恩恵を享受しているのは、おそらくゼロ金利政策を続け、青果市場で蕪を両手に「カブ上がれ!」のパフォーマンスを演じた小渕恵三首相と 「勝ち組」のIT(情報技術)関連企業、それに証券会社ぐらいだろう。大半の「負け組」は、株価が底値で低迷、リストラは思うにまかせず、景気回復の波にも乗れず、苦境にあえいでいる。
そんな「負け組」から見れば、羨ましくてしかたないような派手なパーティが、このところ都会のホテルなどで次々に開催されている。「新年会」「新作発表会」「社長就任」「上場記念」など名目はさまざま。共通するのは、一流ホテルの大宴会場で、かつてのバブル時代を彷彿とさせるような豪華さであることと、主催者がネット関連企業であることだろう。
そんなパーティのひとつが今年に入って開催され、当日、一流ホテル入り口で、ブームの持つ一面の怖さを象徴するような光景が展開された。入り口に勢揃いしていたのは、いかにも“その筋”とわかる人相風体の男たち。「オッス!」「ごくろうさまです!」と、彼ら独特の挨拶が繰り広げられていた。
この日は、IT関連企業ということでマーケットで高い評価を受けている企業のお披露目だった。
「もともとバックに怪しい勢力がついているという噂の企業だったんですが、あれほど露骨にその存在を見せつけるとはね。もっとも、役員や株主に危ない人たちがいるとか、事業そのものに問題があるという企業じゃないんです。ただ、支援する人たちに問題があるんです。これからベンチャー企業が続々と上場されるわけですが、こうした“得体の知れないベンチャー”というのも増えるんでしょうね」