記事(一部抜粋):2000年2月掲載

ベルダレポート

国税がアンタッチャブルにメスを入れ始めた 

税収不足を補おうと、見過ごしてきた業界、業態、システムを標的に 

 国税当局が、有力な芸能プロダクションを狙い撃ち、査察や税務調査が相次いでいることから、芸能界に激震が走っている。
 すでに一部月刊誌で報道されているように、安室奈美恵やglobeなどの有力ミュージシャンを抱え、売上高が五〇〇億円を超える大手レコード会社のエイベックスに東京国税局の税務調査が入ったのが、芸能プロが狙われるきっかけだった。
「一〇〇人デビューした新人のうち、翌年、生き残っていられるのは一人か二人というのが芸能界。そのために、新人にかける費用は、レコード会社や芸能プロが成功報酬で分け合うのが慣例化している。契約などあってなきがごときのどんぶり勘定。そんな実態が、エイベックスへの税務調査で発覚、有力どころが次々に調べられています」(芸能プロダクション関係者)
 その最終ターゲットといわれているのが「芸能界のドン」の異名を取る周防郁雄氏が率いるバーニングプロダクション。細川たかし、内田有起、小泉今日子、郷ひろみ、藤原紀香らの有力タレントを抱え、芸能マスコミをはじめとする“顔の広さ”で比類なき権力を誇る。
 まだバーニングが本格的な税務調査を受けたわけではない。だが、安室やSPEEDなどを擁するバーニング系のライジングプロダクションは、連続した税務調査で巨額の申告漏れが発覚しているし、やはりバーニング系のプロダクションでは「脱税請負人」を利用した資金隠しが摘発される見通し。バーニング包囲網は確実に狭まっている。

 

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