記事(一部抜粋):1999年12月掲載

経 済

【企業研究】コンピュータ業界

金融再編がもたらす3兆円市場の熾烈な争奪戦激変する業界勢力地図

 金融界の相次ぐ大再編が、好調な成長を続けているコンピュータメーカーに大きな影響を与えている。やや話は古くなるが、時代を15年ほど前に戻そう。ちょうど第三次オンラインシステムの構築が開始されたころである。第三次オンは都市銀行や大手地方銀行が中心となった大がかりなシステム開発で、数百億円から1千億円を超える規模のシステム開発であった。それまで、銀行や証券会社では、ユニバックや日本アイ・ビー・エム(日本IBM)といった外資系のコンピュータメーカーの製品が中心となって利用されてきた。しかし、この第三次オンが始まる時に、日本のコンピュータメーカーが積極的にこの分野にも乗り込んできたのである。
 日本IBM、富士通、日立製作所の三社がそれぞれシェアを分け合う形で決着がついたのだが、今まさに、15年前のシステム投資争奪戦が再び始まろうとしている。その引き金となるのが金融の大再編だ。
 金融系企業が導入しているコンピュータメーカの一覧を以下に示す。細かな説明は後述するが、基幹系(勘定系)システムでは、3社がマーケットを分け合うように導入されている。しかし、情報系とシステムとなると、ほとんど日本IBMの募占状態なのである。また、これらハードウエアメーカーと、導入している銀行間には系列という、明確な関係が見てとれる。

 

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