記事(一部抜粋):1999年12月掲載

経 済

第一勧銀「債務超過説」を追う

本誌独自入手の「資料」が明かす驚くべき実態

 ある公認会計士が、第一勧業銀行の資産状況を再評価してまとめたレポートが手元にある。第一勧銀の融資先企業、その関係会社の決算書、さらに、それら企業の資産状況を示す登記簿謄本、不動産鑑定士による鑑定結果や内部資料などを可能なかぎり入手し、それをもとに第一勧銀の貸出債権の実態についてまとめたものだという。結論を先にいえば、第一勧銀が98年3月末の時点で、少なくとも19兆4644億円の債権超過状態にあると断じた衝撃的な内容のレポートである。
 日本興業銀行、富士銀行との「3行統合」で、世界最大の資産規模のメガバンクとなる第一勧銀が、2兆円を超える債務超過。レポートがそう判定した根拠はおいおい説明するとして、その前に、このレポートを作成した会計士について言及しておこう。
 実は本誌が入手したレポートは、作成者である会計士の氏名や連絡先の部分が墨塗りされており、実際にはどこの誰が作成したものなのかは分からない。しかし、関係者の証言などから、レポートの作成者が、ある“グループ”に属する公認会計士であることはほぼ間違いないという確証を得ている。

 

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