記事(一部抜粋):1999年12月掲載

政 治

小渕周辺に漂う「政権末期」のムード

自自公連立の不評、反主流の倒閣の動き、小渕派内部の亀裂

 臨時国家が10月末に開会した途端に、小渕政権の支持率が急落し始めた。しかも、自民党が参院長野補選で手痛い敗北を喫したのを契機に、自自公連立が国民に不評であることが明確になり、三党の足並みも乱れてきた。首相の小渕恵三はそれでも、上向きの兆候をみせる景気を一層のバラマキ財政で浮場させれば長期政権が可能と信じている。
 だが、自民党内の情勢は予断を許さず、YKK(山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎)ら反主流の倒閣の動きが表面化し、小渕派内部の亀裂も依然として修復されたとはいえない。しかも、頼みの官房長官・青木幹雄にはそれを抑える力が不足していることが露呈した。解散・総選挙が小渕派政権存続の最大の関門だが、党内の多数は悲観的見通しに傾いている。永田町に漂っているのは、明らかに「政権未期のムード」(全国紙政治部デスク)だ。
「政権の衰退は、小渕が党内外の反対を強引に押し切って、公明党を閣内に取り込んだところから始まった」と、自民党ベテラン議員は指摘する。

 

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