記事(一部抜粋):1999年11月掲載

政 治

森・亀井・加藤の「小渕包囲網」

次期をエサに権力維持--小渕派伝統の手法が命取り

 公明党・創価学会との提携による強大な政権基盤で第二次改造内閣を発足させた首相の小渕恵三は、ポスト小渕の政権の座をエサに自民党内実力者の操縦を開始した。政治の師匠筋で約8年もの長期政権を誇った故佐藤栄作が駆使した、有力者を競わせて次の首相候補を決めさせず、政権を維持する手法だ。幹事長の森喜朗、政調会長の亀井静香、外相の河野洋平、それに総裁選で争った加藤紘一や自由党党首小沢一郎−−小渕は全員をその拳の上で踊らせようとしている。だが、「佐藤と小渕では手腕も環境も違う」(ベテラン議員)。唯一の取り柄といってよい寝技がかえって疑心暗鬼を呼び、小渕政権の命取りになる可能性も出始めている。
 党内外の強い不信を押し切って公明党・創価学会を抱き込んだ小渕の意図が、創価学会名誉会長・池田大作の協力を得ての政界長期完全支配にあることは、政界関係者の目に徐々に明らかになってきた。それは、連携が強固に固まり、自民党内がそれになびけば「ポスト小渕」が誰であれ、小渕と小渕派に担がれなければ自民党総裁(首相)になれないことを意味する。

 

※バックナンバーは1冊1,100円(税別)にてご注文承ります。 本サイトの他、オンライン書店Fujisan.co.jpからもご注文いただけます。
記事検索

【記事一覧へ】