「外資の落ち込み」と「国有企業の大赤字」
さきに建国50周年を迎えて来世紀への躍進の意欲を改めて示した中国だが、実は厳しい試練に直面している。20年間続いた改革・開放の大きな原動力だった外国からの直接投資が、今年初めて対前年比でマイナスに転落する見通しで、念願のWTO(世界貿易機関)の年内加盟が見送られた場合、外国投資がさらに冷え込む恐れが出てきたからだ。 最大の課題となっている国有企業革命では、巨額の負債を証券化する動きが始まったが、「国家ぐるみの飛ばし行為に過ぎない」との厳しい見方も出ている。国有企業の倒産・合併で大量の失業者が出るため、改革は思うように進んでいない。江沢民政権の悲願である台湾との祖国統一も、台湾側から「2国論」が飛び出したことで一段と遠ざかった。 11年目に突入した江政権はこれら内憂外患で、一歩も後に引けない正念場に立たされている。
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