ベルダレポート
上から下まで蔓延するこの国の「秩序感覚」の崩壊
繰り返される杜撰な「安全管理」「危機管理」「情報管理」
9月30日に起きた茨城県・東海村の原発関連施設の放射能漏れ事故は、発生当初、国内よりむしろ海外で大きな波紋を呼んだ。
ドイツのフィッシャー外相は「報道を見て非常に心配している」と述べ、トリッティン環境相は「重大な事故」と懸念を表明した。
米国務省は、ただちに、日本在住の米市民や旅行者に対し、事故現場から10キロ圏内に近づかないように勧告し、クリントン米大統領は「心配している。専門家のチームを派遣する用意がある」と会見で表明した。
オーストラリアなどで構成される「SPF」(南太平洋諸国会議)に至っては、「日本の核燃料の海上運送に関して、日本の原子力管理能力に重大な懸念がある」と、プルトニウム輸入大国である日本に対する不信感を隠そうともしなかった。
海外のこうした敏感な対応とは裏腹に、日本政府の対応はあまりにお粗末だった。時系列を追いながら振り返ってみる。