記事(一部抜粋):1999年10月掲載

政 治

小渕・池田「政界10年支配」の野望

創価学会・公明党の真意は小渕派との提携にあった

 9月21日に投開票が行われた自民党総裁選は、予想どおり小渕恵三が圧勝し、自民党、公明党、自由党による小渕連立内閣の発足が確定した。世論調査では自自公政権の支持率は低い。しかし、国会では定数5百の衆院の7割を抑え、衆院も過半数を優に超えるかつてない強力政権。その中核に座る小渕と小渕派、名誉会長・池田大作を戴く創価学会・公明党には、もはや誰も正面きっては逆らえない「政界完全支配」の権力構造が誕生した。永田町では、自民党他派閥はもちろん民主党など野党陣営に、戦慄にも似た恐怖の感情が生まれつつある。
「小渕はどうして、こんなに評判の悪い公明党との連立に固執するのか」
 総裁選の最中、真意を理解しかねるという顔でこうつぶやく自民党幹部が少なくなかった。それはそうだろう。小渕自身の支持率は50%を超えているのに、自自公連立への支持は20%そこそこ。しかも、これまで自民党を支持してきた立正佼成会や成長の家など保守系新宗教団体や全日本仏教会、神社本庁などが強く反発し、民主党がどの受け皿として「宗教と政治を考える会」を発足させた。固定していた自民党支持の宗教票が逃げてしまう危険性すらあり、小渕が自民党の将来を考えているなら、公明党との連立の道は選ばないはずという指摘ができるのは当たり前だ。

 

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