記事(一部抜粋):1999年9月掲載

政 治

「自自公」の大亀裂が招く政党再編

「公明抜きの自自・羽田新党」か「小沢抜きの自自公・鳩山新党」か

 連立離脱の構えを見せた自由党党首の小沢一郎が土壇場で首相の小渕恵三と妥協し、9月21日の自民党総裁選終了時に自民、自由、公明の連立政権がスタートすることが確定した。しかし、三党連立の軸が「自自」なのか「自公」なのか、通常国会終盤に三党の実力者がまなじりを決して繰り広げた路線闘争は決着せず、延長戦となった。次の衆院選の前に勝負をつけなければならないが、そのとき政界は新たな政党再編に突入する可能性が濃厚だ。
 自民党との合流を視野に突っ張る小沢、自由党切り崩しを狙う官房長官の野中広務、戦いの中心はやはりこの2人だった。
 小沢が「はずされる危険」を感じたのは5月の連休後だった。野中周辺から「自自公連立」の構想が永田町に流れ、公明党がこれに呼応する姿勢を見せ始めたにもかかわらず、小渕から話がなかったからだ。小沢は「小渕からの電話が近ごろ減った」と、首を傾げながら側近に不満を漏らし、野中の突出を快く思わない綿貫民輔、村岡兼造ら小渕派幹部への接近を強めていった。

 

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